iDeCoとNISAを一通り始めて、次の選択肢を探している方の中に、民泊投資の利回りが気になり始めている方がいると思います。私自身も同じ経路で動いた一人です。ただ正直に言うと、最初の試算は甘かった。今回は失敗談を含めて、利回りの「読み方」を整理してみます。

試算表の数字が、現実と20万円ズレた理由

1棟目を運用し始めた年、私は表面利回りだけを見て満足していました。想定宿泊単価×稼働率で弾いた年間収入が、頭の中でひとり歩きしていたんです。ところが蓋を開けると、清掃費・Airbnbの手数料・消耗品の補充が積み重なり、年間で約20万円のズレが生じていました。

原因は単純で、「稼働率80%」という前提が楽観的すぎたことと、清掃1回あたりのコストを低く見積もっていたことです。地方立地で清掃業者の選択肢が少なく、1回あたり6,000〜8,000円かかるとは想定していなかった。試算のインプットが変われば、アウトプットも当然変わります。

余談ですが、私が最初に作った試算表には「清掃費」の行がそもそも存在していませんでした。費用の「抜け漏れ」は、数字の読み間違いより怖い。

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「表面利回り」と「実質利回り」は、なぜこんなに離れるのか

民泊投資の利回り議論で最初に整理すべきは、この2つの違いです。表面利回りは「年間想定収入÷初期投資額」で計算されます。一方、実質利回りはそこから運営コストをすべて差し引いて算出します。

モデルケースで考えてみます。初期投資1,200万円(仕様・立地・付帯工事により上下します)、宿泊単価12,000円、稼働率70%の前提だと、年間収入は12,000円×365日×70%≒約307万円。表面利回りは約25%ですが、そこから清掃費・プラットフォーム手数料(概ね3〜15%)・消耗品・小修繕等を引くと、実質ベースでは10〜15%台に落ち着くことが想定されます。ただしこれはあくまでモデルケースであり、個人差・立地差によって上にも下にも振れます。

前提条件の置き方ひとつで収支は大きく変わります。私が20万円ズレたのは、まさにこの「前提の甘さ」でした。

稼働率は「地域の実態」から逆算しないと、数字が宙に浮く

民泊投資で利回りを読む上で、稼働率の根拠が一番大切だと今は思っています。観光地の繁忙期・閑散期の差、競合物件の数、Airbnbの検索順位——これらがすべて絡み合って稼働率が決まります。

私の1棟目は関東近郊の地方都市で、初年度の実稼働率は約62%でした。2年目に口コミが蓄積されて75%前後に改善しましたが、それでも当初想定の80%には届かなかった。PACOの運用実績ではAirbnb評価4.8台を維持しているケースもありますが、ゲスト対応と写真更新を地道に繰り返した結果であり、初年度から自動的に達成できる数字ではありません。

これから検討される方には、「最初の1〜2年は稼働率が低めに推移するかもしれない」という前提を入れた保守的な試算を一度作ることをお勧めします。その前提で収支が成立するなら、上振れはボーナスとして受け取れます。

節税効果は「利回り」の数字に含まれていない——ここを混同すると後で混乱する

年収550万円前後の会社員にとって、民泊投資が選択肢に上がる理由のひとつが所得圧縮の可能性です。木造2×4構造のトレーラーハウスは法定耐用年数が短く設定されるため、初期の減価償却費が大きくなりやすく、所得圧縮効果が生じるケースがあります(税務の扱いは個別の状況によって異なります。必ず税理士にご確認ください)。

ただし節税効果は、利回りの数字には含まれていません。キャッシュの収支と税務上の損益は別で管理する必要があります。この区別を最初から意識しておくだけで、1年後に「思ったより手元に残らない」と慌てるリスクをかなり減らせます。

次の小さな一歩:試算表を「楽観」と「保守」の2パターン作ってみる

民泊投資の利回りを正直に読みたいなら、稼働率を5〜10%刻みで動かした2パターンの試算表を自分で作ってみることが出発点になります。それだけで、収支の感触がずいぶん変わります。

私が1年目に20万円ズレた経験から得た教訓は、「誰かが出した試算を信じ込むより、自分で前提を変えてみる」という習慣を持つことです。PACO INVESTのような商品を検討する際も、担当者に「稼働率の根拠はどこから来ているか」を率直に聞いてみてください。その問いへの答え方で、情報の誠実さがある程度見えてきます。

iDeCoやNISAで長期の土台を積みながら、民泊投資を一段踏み込んだ選択肢として検討すること自体は合理的だと思います。ただ焦らず、まず数字を自分の手で触ってみることから始めてみてください。

よくある質問

民泊投資の利回りは、アパート投資と比べてどう違いますか?

アパートなどの長期賃貸は稼働率が安定しやすい一方、宿泊単価は低めです。民泊は単価を高く設定できる反面、稼働率が季節や口コミによって変動しやすい。実質利回りのレンジはケースによって大きく異なりますが、民泊は「稼働率の読み間違い」がアパートより収支に直結しやすいという特徴があります。あくまで傾向として捉えてください。

初期投資はどれくらい見ておけばいいですか?

PACOのトレーラーハウス投資の場合、1台あたり概ね990万〜1,500万円のレンジで検討されるケースが多いとされています(モデルケース)。物件の仕様・サイズ・立地・付帯工事の内容によって上下するため、まず総投資額を確認した上で試算を組み立てることをお勧めします。融資条件によっては自己資金を抑えてのスタートも可能なケースがありますが、その場合もキャッシュフローへの影響を別途確認してください。

副業禁止の会社に勤めていても、民泊投資はできますか?

一般に、不動産賃貸業は「事業的規模」に該当しない場合、副業禁止規定の対象外とされるケースがあります。ただし民泊は「事業」として扱われる可能性もあり、会社の規定や雇用契約の内容によって判断が変わります。事前に就業規則を確認し、必要に応じて人事部門や専門家に相談することをお勧めします。この記事は法的アドバイスを目的とするものではありません。