「毎年18万円の固定資産税を払うたびに、あの土地のことが頭をよぎる」——そんな相談が最近また増えています。相続で受け継いだ郊外の土地は、愛着はあっても活用の糸口がつかめない。トレーラーハウス投資という言葉を耳にしたことはあっても、利回りの根拠がいまひとつ腑に落ちない。今回はそういった方に向けて、実際に受けた相談をもとに書いてみます。

「草を刈るだけで年間23万円出ていく」——57歳Kさんの5年間

以下は相談を受けた50代男性の事例(モデルケース)です。個人を特定できないよう詳細は一部変えています。

Kさんは5年前に父親から郊外の土地(約300坪)を相続しました。最寄り駅からバスで20分ほどの立地で、以前は農地として使っていたものの今は更地。年間の固定資産税が約18万円、草刈りの外注費が年2〜3回で計5万円ほど。5年間で合計115万円超が「維持費」として出ていった計算になります。

アパート経営も検討したことがあるそうですが、建築費が高く融資条件も厳しかった。コインパーキングは台数が取れず収益が読みにくい。「草刈り業者さんとの付き合いが一番長くなってしまった」という一言が、この5年間を端的に表していました。

「固定資産税の対象外になる場合がある」——その話、どこまで本当か

Kさんがトレーラーハウスに興味を持ったきっかけは、「土地に定着しないから固定資産税の対象外になる場合がある」という話を聞いたからだそうです。最初は半信半疑だったようで、「そんなうまい話があるのか」と思ったとおっしゃっていました。

正直に言うと、私も最初にこの話を聞いたとき、同じように疑いました。調べてみると、実際には設置形態や自治体の判断によって扱いが変わるケースがあり、「固定資産税がかからない」と一律に断言できるものではありません。Kさんにも、まずその点を整理することから始めてもらいました。税務上の扱いについては、必ず専門家に確認してください。

「10〜20%利回り」は何と何を比べた数字なのか

トレーラーハウス投資の想定利回りとしてよく言われる10〜20%(モデルケース)という数字は、条件が揃った場合の試算です。立地、稼働率、運営形態によってまったく変わります。

前提を整理すると、たとえば「初期投資が1台あたり概ね990万〜1,500万円のレンジ(物件仕様・サイズ・付帯工事により変動)、Airbnb等での宿泊運営、年間稼働率60〜70%」というモデルケースでは、年間売上が100〜150万円台になるケースも想定されます。ただし運営コストやプラットフォーム手数料(Airbnbの場合は売上の3〜5%程度)を差し引いた実質利回りは、表面利回りより低くなります。「10〜20%」という数字だけを見て判断するのは危険です。

Kさんの土地については、近隣に観光スポットと道の駅があり、週末の需要がある程度見込めるエリアでした。「ゼロから集客する必要はない立地かもしれない」という話をしたとき、初めて表情が少し変わったのを覚えています。

「撤去できる」という出口が、Kさんの背中を少し押した理由

Kさんが「もう少し詳しく調べてみる」と言った理由のひとつが、撤去・移設のしやすさでした。アパートは一度建てたら数十年の付き合いになる。状況が変わったときに別の選択肢が残るかどうかは、特に相続した土地を扱う場合には切実な問題です。「出口が見える投資は、精神的に全然違う」というKさんの言葉は、多くの相談者に共通する感覚だと思っています。

PACOのトレーラーハウスは木造2×4構造で、宿泊施設としての居住性を重視した設計です。Airbnbでの運用実績として評価4.8を獲得している物件もありますが、それが自分の土地や運営スタイルに合うかどうかは個別に検討が必要です。Kさんにもそう伝えました。

「固定資産税と維持費をカバーする売上はいくらか」から逆算する

相続した土地の活用を検討するとき、「大きな決断をしなければいけない」という重さを感じる方が多いです。ただ、最初のステップはもっとシンプルでいい。Kさんのケースで言えば、年間23万円(固定資産税18万円+草刈り5万円)をカバーする売上を逆算すると、月2万円弱の収益で損益分岐点に達する計算になります。その数字を起点に「稼働率何%なら届くか」を考えるだけで、選択肢の見え方はかなり変わります。

Kさんはいま、もう少し資料を集めながら検討を続けているところだと聞いています。急いで動く必要はないし、急かすつもりもありません。ただ、「草を刈るだけ」の年月がこれ以上続く前に、一度試算だけでもしてみることには意味があると思っています。

よくある質問

郊外の土地でも宿泊需要は見込めますか?

立地によって大きく異なります。観光地・道の駅・アウトドア施設の近隣であれば週末需要が見込まれるケースがあります。一方、交通アクセスが著しく悪い立地では稼働率が読みにくくなります。まずご自身の土地の周辺環境を整理したうえで、個別に試算することをお勧めします。

相続税対策としての効果はどう考えればいいですか?

トレーラーハウスは減価償却を活用した所得圧縮効果が想定されるケースがあります。ただし相続財産の構成や税務上の扱いによって効果は異なります。税理士など専門家への相談と組み合わせて検討されることをお勧めします。このブログの内容は情報提供を目的としており、税務・法務上のアドバイスではありません。

初期投資はどのくらいを想定すればいいですか?

1台あたり概ね990万〜1,500万円のレンジで検討されるケースが多い(モデルケース)ですが、物件の仕様・サイズ・立地・付帯工事の内容によって上下します。まずは土地の条件を整理したうえで、具体的な見積もりをもとに判断されることをお勧めします。