iDeCoやNISAを始めたものの、「これだけじゃ足りない気がする」という感覚、私もかつて持っていました。節税しながら副収入も得られる投資として、宿泊施設投資やトレーラーハウス投資に興味を持つ方が増えています。ただ正直に言うと、最初から順調だった人はほとんどいない。私自身、試算を盛大に間違えた経験があります。その話を先に共有させてください。
「20%いける」と踏んでいた試算が、最初の冬に崩れた
私が最初のトレーラーハウスを長野県の山間エリアに設置したのは、副業を始めて1年ほど経った頃です。Airbnbの周辺物件を調べ、繁忙期の宿泊単価と件数を掛け合わせて「想定利回り20%は出る」と踏んでいました。
ところが、最初の冬に稼働率が想定の半分以下になりました。繁忙期のデータしか見ていなかったのです。さらに、チェックインの動線整備が甘く、初期の口コミ評価が伸び悩んだことも響きました。結果、初年度の実質利回りは8〜9%程度(あくまで私個人の一例です)にとどまりました。
致命傷ではありませんでした。ただ「やってみて初めてわかること」が想像以上に多かったのは事実です。
「平均稼働率」で試算すると、閑散期に詰む
宿泊施設投資の利回りを計算するとき、年間の平均稼働率を使うのは危険です。観光需要がある立地でも、1〜2月や梅雨時期に稼働率が30〜40%台まで落ちることはよくある話。その「最悪月」が2〜3ヶ月続いたときに収支がどうなるかを、先に計算しておくべきでした——これが私の最大の読み違いでした。
試算の前提を具体的に示すと、たとえば「宿泊単価2万円、月稼働率60%、30泊換算」という条件なら月売上は36万円。ここから光熱費・清掃費・プラットフォーム手数料(Airbnbの場合概ね3〜15%)・管理費などを引くと、手残りはかなり変わってきます。あくまでモデルケースであり、個人差・立地差は相当あります。
「繁忙期の数字で夢を見ない」——閑散期の収支でもキャッシュフローが回るかどうかを先に確認してください。
節税の効果は本物だが、「キャッシュが増える」とは別の話
トレーラーハウスは木造2×4構造であり、法定耐用年数の関係から比較的短期間での減価償却が見込まれます。これが年収550万円前後の会社員にとって効きやすい理由のひとつです。減価償却を活用した所得圧縮効果が想定されますが、あくまで帳簿上の経費であって、現金は出ていきません。
誤解してほしくないのは、「節税できるから多少赤字でもいい」という発想は危ういということ。節税効果はキャッシュフローが黒字であることが前提で最大化されます。赤字運営を税金対策と呼ぶのは、本末転倒になりかねません。
「動かせる」構造が、読みを外したときの保険になる
私がトレーラーハウス投資を続けている理由のひとつは、「動かせる」という点にあります。固定資産として登記される一般建築物と異なり、条件次第で移設・売却の選択肢が取りやすい。立地の読みが外れたとき、取り返しがつかない状態になりにくい構造です。
初期投資は1台あたり概ね990万〜1,500万円のレンジで検討されるケースが多いですが(モデルケース)、物件仕様・サイズ・立地・付帯工事によって上下します。住宅ローンをまだ組んでいない30代にとっては、融資の組み方次第で自己資金を抑えてスタートできるケースもありますが、金融機関の審査条件は個人の属性によって大きく異なります。
PACO Stay(Airbnb等での宿泊運用)では、Airbnbの評価4.8台の運用実績を持つ物件もありますが、それはオペレーションを積み重ねた結果であって、最初から出る数字ではありません。
「最悪ケース」で試算してから、次のステップへ
記事を読んで「やってみようかな」と思った方に、ひとつだけお願いがあります。最初のステップとして、「稼働率30%・単価1万5,000円・月25泊換算」のような保守的な前提で収支を計算してみてください。それでもキャッシュフローが回るか、あるいは節税効果と合算したとき許容できる水準かを確認してから、次のステップに進んでも遅くはないと思います。
宿泊施設投資の利回りは、読み方と立地と運営次第でかなり変わります。私の失敗は、その「変わり幅」を甘く見ていたことでした。
よくある質問
宿泊施設投資の想定利回りはどのくらいですか?
立地・運営方法・稼働率によって大きく異なります。モデルケースとして10〜20%が試算上想定されるケースもありますが、実際は稼働率の変動や諸経費によって上下します。私自身の初年度は8〜9%程度にとどまりました。あくまで個人の一例であり、同様の結果を保証するものではありません。
年収550万円の会社員でも融資を受けられますか?
融資の可否や条件は、金融機関・申込者の属性・物件の収益計画によって異なります。住宅ローンを組んでいない段階のほうが与信余力が残っているケースもありますが、一概には言えません。具体的な条件は金融機関への相談が必要です。
トレーラーハウスは固定資産税がかからないと聞きましたが本当ですか?
一般的に、随時かつ任意に移動できる状態を維持しているトレーラーハウスは「車両」として扱われ、固定資産税の対象外とされるケースがあります。ただし設置状況や自治体の判断によって異なる場合もあるため、税理士や専門家への確認を推奨します。税務上の取り扱いは個別の状況によって変わります。