区分マンション2戸、アパート1棟。ここまで積み上げてきた方が次に考えるのは、「同じレールをもう一周するか、別の道を試すか」という分岐です。融資上限への懸念や管理コストの積み上がりを意識しながら、トレーラーハウスを使ったホテル(グランピング)投資が気になっている方に向けて、他のアセットと並べて整理します。
「利回りが高い」は、何と比べて高いのか
投資判断で最初に確認したいのは比較の基準です。現時点の主な選択肢を並べると、定期預金は0.5〜1%前後、国内REITの分配金利回りは3〜4%台、都市部の区分マンションは表面利回り4〜6%程度が一般的な水準です。
PACO STAYの場合、稼働率35%・1泊32,000円という前提での試算では、想定利回りは7.7〜14.6%(プロジェクトにより異なる)とされています。ただし、この数字は宿泊稼働に直結するため、稼働率が前提を下回れば当然に下がります。「高利回り」と感じるかどうかは、その変動リスクをどう読むかによって変わります。よくある失敗として、表面利回りだけを比較して稼働率リスクを織り込まないまま判断するケースが挙げられます。
「同じ不動産」でも、収益の仕組みは根本的に違う
アパートや区分マンションとの最も大きな違いは、収益の源泉です。賃貸住宅は月額賃料という相対的に変動の少ない収入が基本ですが、グランピング施設の客室(PACO STAYの場合は木造2×4工法のトレーラーハウスを1棟単位で購入)は、観光需要に連動した宿泊単価と稼働率の掛け算で収益が決まります。単価の上振れ余地がある反面、旅行需要の季節変動や景気への感応度は賃貸住宅より高くなります。
もう一つの違いは「動産」という点です。PACO-TRAILERは車両運搬具として登録されているため、法定耐用年数は4年(定率法)。木造アパートの22年と比べ、短期間に大きな償却費を計上できるため、課税所得が高い方にとっては課税所得を圧縮する手段になり得ます。ただし、節税効果は課税所得の水準や所得構成によって変わるため、税理士への確認を前提とした判断が必要です。
REITや株式と並べると、どこに位置づけられるか
REITは流動性が高く、1口数万円から分散投資できる点が強みです。一方で価格は市場に連動し、金利上昇局面では下落圧力を受けやすい。株式はさらに流動性が高い代わりに価格変動幅も大きくなります。PACO STAYのような現物資産への投資は、市場の値動きとは直接連動しないため、ポートフォリオの分散軸として機能するケースがあります。ただし、流動性は低く、中途解約や急な現金化は容易ではありません。
「株式・REITで金融資産はある程度持っている」という方が、さらに金融資産を積み増すよりも現物資産を一部組み込む、という発想で検討するケースが、この商品の文脈には合いやすいかもしれません。いずれにせよ、ポートフォリオ全体のバランスは個々の状況によって異なります。
「5年後に売れるか」——出口の不透明さをどう扱うか
不動産投資家として数字に厳しい方が最も気にするのは出口でしょう。PACO STAYは賃貸管理委託方式のため、途中売却の場合は当社グループへの打診が基本的な手順になります。市場での自由な売買が前提の区分マンション・REITとは根本的に異なる点です。
設計上の想定としては、償却が終わる4年目以降(5年を超えた時点)に売却し、中古(法定耐用年数2年)へ乗り換えるサイクルが示されています。モデルケース(真岡・個人・5年ごと乗り換え・売却額が残債と同額という仮定)では10年間で手元現金が約480万円増えるという試算がありますが、これはあくまで前提条件を置いた試算です。「中古市場でいくらで引き取られるか」は現時点では不透明な部分が残るため、その点は認識した上で検討を進める必要があります。
自己資金0円スタートの「持ち出し」の正体
1棟1,453万円〜(プロジェクトにより異なる)という価格に対し、提携の信販会社による分割払い(最長10年120回・審査あり)を使えば、自己資金0円でのスタートが想定されています。ただし、月々の支払いは月額送金額(稼働率35%の前提で176,800円の試算)を上回る点は明確にしておく必要があります。
差額を補うのは、減価償却による課税所得の圧縮です。課税所得が1,800万円を超えるような水準(税率50%前後)でないと、節税効果で差額をカバーする設計が機能しにくくなります。たとえば年収800万円のサラリーマン投資家の場合、給与所得と不動産所得の合計額、既存物件の減価償却残高なども加味した上で、税理士と試算を確認するプロセスが欠かせません。「節税になると聞いて始めたが、課税所得水準が合わず手出しだけが続いた」というのは、この種の投資でよく見られる失敗パターンです。
次の一歩として、何を確認すればよいか
トレーラーハウスを活用したホテル投資(グランピング)は、稼働率変動リスクを受け入れられる・流動性の低さを許容できる・節税効果が機能する課税所得水準にある、という条件が重なったときに初めて検討対象に入ってくるものです。
まず確認すべきは、現在の課税所得の水準と既存物件の減価償却スケジュールです。その上でPACO STAYの各プロジェクト詳細(販売中プロジェクト一覧)を見ながら、稼働率25%・35%・45%それぞれのケースで月次収支を試算してみることが、最初の確認ステップになります。
よくある質問
トレーラーハウスホテル投資とアパート経営、どちらが状況に合いやすいですか?
一概にどちらとは言えません。アパートは月額賃料という相対的に変動の少ない収益構造を持ちますが、PACO STAYは観光需要に連動した宿泊収益のため稼働率による変動が大きくなります。一方、法定耐用年数4年の動産として短期間に大きな減価償却費を計上できる点はアパート(木造22年)とは異なります。課税所得水準・既存ポートフォリオのバランス・流動性への許容度によって、どちらが状況に合うかは個々人で異なります。
稼働率が35%を下回った場合、月々の収支はどうなりますか?
稼働率25%の試算では月額送金額は108,667円とされています(前提:1泊32,000円)。分割払いを利用している場合、月々の支払いはこれを上回るため、差額の持ち出しが増えます。節税効果も課税所得の水準や所得構成によって変わるため、最悪ケースの稼働率を想定した手元キャッシュフローを事前に試算しておくことを編集部では重要と考えています。
5年後に売却できる見通しはありますか?
売却を約束する仕組みはありません。PACO STAYは当社グループへの賃貸管理委託方式のため、中途売却の際は当社グループへの打診が基本的なプロセスになります。売却額についても「残債と同額」はモデルケースの仮定であり、実際の条件はその時点の状況によります。出口の不透明さはこの投資の特性の一つとして認識した上で判断されることを前提としています。