「土地はあるけど、何をすればいいのか正直わからない」。年商1.5億円超の製造業を動かしながら、資産の組み替えには手が回っていない——そういう経営者は、佐藤が相談を受けてきた中でも珍しくありません。今回は、そのうちの一人、Kさん(45歳)のケースをもとに書きます。

「株は全部同じ方向に動く」——資産の連動リスクに気づいたとき

Kさんはすでに株式と投資信託をそれぞれ相応の規模で保有していました。リターンへの納得感もある。ただ、2022〜2023年にかけて株とファンドが同じ方向に振れる局面が続いたとき、「有事のとき、資産が全部連動して動く」という感覚が拭えなくなったと言っていました。

そこで視野に入ってきたのが、親から受け継いだ地方の土地です。値動きとの連動が小さい実物資産として、改めて見直し始めたわけです。

固定資産税を「払うだけ」で終わらせていた300坪の現実

Kさんの土地は、地方都市の幹線道路沿い、約300坪。固定資産税は年間数十万円。「払うだけで何も生んでいない」とわかっていても、アパートを建てるには規模が中途半端で、駐車場にするには立地がもったいない——そういう宙ぶらりんの状態でした。

あくまでモデルケースとしての試算ですが、年間固定資産税30万円×10年で単純に300万円が出ていく計算になります。「何もしない」という選択にも、積み上がるコストがある。Kさんはそれを数字で見て初めて、「動くタイミングかもしれない」と感じたそうです。

「建物を建てない」という選択肢が刺さった理由

トレーラーハウスを使った土地活用の話をしたとき、Kさんが最初に食いついたのは「出口」でした。建物を建てると登記が生まれ、解体も面倒になる。でもトレーラーハウスであれば、運用形態によっては原状回復がしやすく、土地の転用余地が残りやすい。経営者らしい確認の順番だと思いました。

PACOのトレーラーハウスは木造2×4構造で、Airbnb運用に対応した宿泊施設仕様です。1台あたりの費用は概ね990万〜1,500万円のレンジで検討されるケースが多いですが、物件仕様・サイズ・立地・付帯工事によって上下します(モデルケース/実際の費用は個別に要確認)。この幅はKさんにも最初に伝えました。

「思ったより悪くない数字」——税の試算で何が見えたか

経営者が敏感になるのは、やはり税の扱いです。トレーラーハウスは条件によっては減価償却資産として扱われる可能性があり、所得圧縮効果が想定されるケースがあります。ただし税務上の取り扱いは個人・法人の状況や顧問税理士の判断によって異なるため、ここで一般化するのは適切ではありません。

Kさんのケースでは、顧問税理士を交えて試算してもらいました。「思ったより悪くない数字が出た」と後日聞いています。佐藤が口を挟む領域ではないので詳細は省きますが、試算を依頼する前提条件の整理には少し付き合いました。

Kさんが動いた決め手は「利回り」ではなかった

モデルケースでの想定利回りは10〜20%程度で試算されることがありますが、立地・稼働率・運用形態によって大きく変わります。Kさんが最終的に動いた理由は、その数字よりも「ユニット1台から始められて、失敗してもリカバリーできる構造」という点でした。初期投資の規模を見極めやすく、撤退コストが読める——スピードと確実性を重視する経営者の判断軸と合っていたようです。

ここで一つ、佐藤自身の失敗を正直に書いておきます。自分が最初の1棟を運用し始めたとき、稼働率を楽観的に見すぎました。初年度の実績は想定より約2割下振れ。「まあ埋まるだろう」という根拠のない前提が原因でした。それ以来、1台目の試算をするときは稼働率の前提を必ず複数パターンで確認するようにしています。Kさんにも同じ話をしました。

今すぐできる「小さな一歩」は利回り計算より先にある

遊休地を抱えていて「何かしなければ」と感じているなら、まず確認すべきは土地の用途区域と接道条件です。トレーラーハウスの活用が現実的かどうかは、そこで大きく変わります。初期投資の話はその後。土地の条件整理から始めるのが、遠回りに見えて結局一番早い道です。

よくある質問

どんな土地でもトレーラーハウスを置けますか?

すべての土地に適用できるわけではありません。用途区域・接道条件・上下水道の引き込み状況などによって可否や費用感が変わります。まず対象地の基本条件を整理した上で、専門家に相談することをお勧めします。

融資は個人でも通りやすいですか?

融資条件は金融機関・申込者の属性・事業計画の内容によって大きく異なります。経営者の場合、法人での取り組みとして検討するケースもありますが、一概には言えません。複数の金融機関に事前打診するのが現実的です。

Airbnb運用は自分でやらなければなりませんか?

PACO Stayのような運営代行サービスを活用することで、チェックイン対応・清掃・予約管理を委託できるケースがあります。ただし代行手数料が発生するため、収支計算には必ず組み込んで試算することが重要です。