「固定資産税だけ払い続けて、もう3年になります」——そう話してくれたのは、製造業を営む50代の経営者の方(以下、モデルケース)でした。株式・投信はひととおり手を打っている。でも不動産は未経験で、「大きく動いて失敗したくない」という気持ちが先に立つ。そういった相談が、ここ数年で明らかに増えています。

正直に言うと、私(佐藤)も最初は「郊外より都心、小さいより大きい」という固定観念を持ったまま情報を集めていました。ところが数字を並べてみると、その前提が逆転するケースが出てきた。今回はその話をします。

「立地が命、都心が最強」——その前提が経営者には当てはまらない場合がある

不動産投資の教科書的な答えは「都心・高需要・低空室」です。確かに空室リスクは低い。ただ、経営者の視点で見ると、もう2つの問いが浮かびます。「初期投資をどう回収するか」と「撤退できるか」です。

都心の土地活用は容積率の制約や建物コストから、初期投資が数億円規模になるケースも珍しくない。そしてRC造のマンションを建てれば、30〜40年は市況が変わろうと固定費を負い続けます。「引けない戦略」のリスクは、経営をしている方なら体感としてわかるはずです。

「撤退できる」設計が、なぜ守りになるのか

PACOが扱う木造2×4構造のトレーラーハウスは、一定の条件のもとで移設・撤去が可能という設計思想を持っています。「動かせる」というのは感覚的な話ではなく、出口の選択肢が残るということです。

RC造との比較で言えば、「建てたら終わり」の構造物と「状況次第で別の土地に移せる」構造物では、10年後の意思決定の自由度がまるで違います。これは保険のようなもので、使わなければそれに越したことはない。でも「ない」と「ある」では、経営判断の重さが変わります。

ただし、移設が現実的かどうかは立地・インフラ条件・自治体の解釈によって異なります。「いつでも動かせる」と単純に考えるのは危険で、事前確認が必須です。私自身、この点を軽く見て後から調べ直す羽目になった経験があります。

郊外の遊休地が、都心より利回りで上回ることがある理由

分母が小さいからです。郊外の土地は取得コストも固定資産税も低い。一方で、Airbnbなどの短期滞在需要は「自然環境が豊かなエリア」で旺盛になっているケースがあります。

モデルケースで数字を示します。「関東近郊の観光地近く・トレーラーハウス1台・年間稼働率60〜65%」という条件で試算すると、想定利回りが10〜20%のレンジで語られることがあります。ただしこれはあくまで試算上のモデルケースであり、立地・仕様・運営体制・季節変動によって結果は大きく変わります。実際の数値は個別に精査が必要です。

参考値として、PACO Stayの運用物件の中にはAirbnb評価4.8を維持しているものもありますが、これがすべての物件で再現されるわけではありません。立地選定と運営の質が、数字を分けます。

年収1,800万円規模の経営者が減価償却を無視できない、具体的な理由

木造建築物は法定耐用年数が短いため、初年度から計上できる減価償却費が大きくなります。初期投資の規模感としては、1台あたり概ね990万〜1,500万円のレンジで検討されるケースが多いモデルケースですが、仕様・サイズ・立地・付帯工事によって上下します。

仮に1,200万円で取得し、耐用年数に応じて減価償却を計上した場合、実際のキャッシュアウトを抑えながら課税所得を圧縮できる効果が想定されます。ただしこの効果は、個人取得か法人取得か、所得水準、既存の経費構造によって変わります。「節税になる」とは断言できませんが、顧問税理士と数値を並べて検討する価値は十分にあると考えています。

「次の一歩」は土地の特性を4点だけ整理すること

遊休地の活用を考えるとき、最初にやることは「都心か郊外か」の議論ではありません。保有している土地について、①広さ、②接道条件、③用途地域、④現況の状態——この4点を把握するだけで、現実的な選択肢が絞れます。

固定資産税を払い続けながら先送りするコストは、年間で数十万円単位になるケースもあります。焦る必要はありませんが、「いつか考えよう」が積み上がると、その分だけ選択肢が狭まっていくのも事実です。

よくある質問

不動産投資が未経験でも、トレーラーハウス活用は検討できますか?

未経験の方が相談に来られるケースは多くあります。ただし、立地選定・運営体制・融資の組み方など、確認すべき要素は複数あります。「未経験だから無理」とは言えませんが、「知らずに始めると詰まる場面がある」のは事実です。まず概要を把握した上で、専門家を交えた個別相談から始めることをお勧めしています。

法人取得と個人取得、どちらが有利ですか?

所得水準・事業構造・出口戦略によって答えが変わるため、一般論では判断できません。法人取得では損金算入の柔軟性があるケースがある一方、個人取得では青色申告との組み合わせが有効に働く場面もあります。顧問税理士と具体的な数値で比較することを強くお勧めします。

郊外でAirbnb運用をする場合、稼働率はどのくらいを想定すればいいですか?

エリアによって大きく異なるため、一律の数値はお伝えできません。観光需要が集中するエリアでは週末中心の高稼働が想定されるケースがある一方、通年安定を狙うには競合状況や交通アクセスの確認が必要です。同エリアの既存施設の稼働傾向を事前に調べることが、現実的な試算の出発点になります。