区分マンション2戸とアパート1棟。ここまで来ると、次の判断軸が難しくなります。「同じアセットを増やすのか、性質の違うものに分散するのか」——その軸が曖昧なまま動くと、後悔しやすい。今回は土地活用を含む複数の選択肢を、優劣ではなく「向き不向き」の観点で並べてみます。

「利回り何%」より先に、その数字の分子と分母を確認する

不動産の表面利回りとREITの分配金利回りを同じ土俵で比べると、判断を誤りやすくなります。表面利回りは空室・管理費・修繕を織り込んでいないし、REITの利回りは流動性リスクや金利動向の影響を受けます。数字の高低より、「何が分子で何が分母か」を揃えてから比べるのが先決です。

筆者自身、以前アパートの表面利回りだけ見て購入を決め、管理費と修繕積立を計上したら実質利回りが約2ポイント落ちた経験があります。「表面8%→実質6%台」という落差は、月次キャッシュフローで数万円単位の差になります。数字に強い方ほど、前提条件のすり合わせを面倒がらないでほしいと思います。

それぞれの選択肢が「得意なこと」と「苦手なこと」

区分マンション追加取得

融資の組みやすさと、都市部での売却流動性の高さが強みです。ただ、すでに2戸保有しているなら、同一リスクの積み増しになる点は意識しておきたい。管理費・修繕積立金が固定費として乗るため、実質利回りは表面より下がりやすく、都心ワンルームでは実質3〜4%台になるケースも珍しくありません。

アパート追加取得

1棟保有の経験があるなら運営ノウハウは活かせます。ただし追加融資の条件が初回より厳しくなるケースがあり、特に負債残高が膨らんでいると審査の通りが変わります。同エリアへの集中投資になると、地域の賃貸需給が変動したときのリスクが一点に集まる点も念頭に置いてください。

株式・REIT

流動性は圧倒的に高く、少額から分散できる点は強みです。一方で価格変動が大きく、REITは金利上昇局面で分配金利回りの相対的な優位性が低下しやすい。「不動産に詳しい」という自分の強みが活かしにくい領域でもあります。

現金・定期預金

「待機資金」としての役割は重要ですが、インフレ局面ではじわじわ実質価値が目減りします。日本の消費者物価が前年比2〜3%台で推移している局面では、何もしないことにも見えないコストが発生しています。

土地活用(トレーラーハウス等)

自分や家族の遊休地がある場合、あるいは地方の安価な土地を取得できる場合に検討の俎上に乗ります。PACOの木造2×4構造のトレーラーハウスの場合、1台あたり概ね990万〜1,500万円のレンジで検討されるケースが多いですが(モデルケース)、物件仕様・サイズ・立地・付帯工事によって上下します。想定利回りはモデルケースで10〜20%とされていますが、立地・運用方法・稼働率によって大きく異なります。

「撤退コスト」と「出口の読みやすさ」で選択肢が絞られる場合がある

数字に厳しい方が見落としやすいのが、撤退時のコスト試算です。RC造のアパートは解体費用だけで数百万円規模になるケースがあります。一方、トレーラーハウスは移設・撤去が比較的現実的な選択肢として残るため、出口の柔軟性が異なります。ただし「移設できる=コストゼロ」ではなく、移設費用や再設置先の確保が必要になる点は念頭に置いてください。

区分マンションは流動性が高い分、売却出口が見えやすい傾向があります。ただし売却益を得るには、購入時より市場が好転している必要があります。出口の「読みやすさ」を軸に並べると、選択肢の優先順位が変わることがあります。

分散の目的は「リスクを下げる」より「リスクの種類を変える」こと

既存の区分・アパートは「賃貸需給リスク」と「金利リスク」を抱えています。トレーラーハウスをAirbnb運用に組み込む場合、リスクの種類が「稼働率リスク」と「観光需要リスク」にシフトします。これは優劣ではなく、性質の違うリスクを持つという意味での分散です。同じ不動産カテゴリでも、運用モデルが変わるとリスク構造は別物になります。

次の一手を決める前に、自分の強みがどこで活きるかを先に問う

不動産の目利きと融資交渉に自信があるなら、それが活かせる選択肢を選ぶ。Airbnb等の運用に興味があるなら、稼働率をどう管理するかを先に学ぶ。利回りの数字が高くても、自分が管理・判断できない仕組みに乗っかるのは、数字以上のリスクを抱えることになります。

PACOの運用モデルに関心があれば、まず「どんな立地でどんな稼働率が想定されているか」を具体的に確認するところから始めてみてください。試算資料の請求や個別相談も受け付けています。

よくある質問

既にアパートを持っている場合、追加で融資は通りやすいですか?

一概には言えません。既存ローンの残債・収支・金融機関との関係性によって大きく変わります。既存物件の収支が安定していれば次の融資審査でプラスに働くケースもありますが、負債総額が膨らむことで審査が厳しくなるケースもあります。複数の金融機関に打診して比較されることをお勧めします。

トレーラーハウスの想定利回りはどんな条件を前提にしていますか?

モデルケースの想定利回り10〜20%は、立地・稼働率・運用形態(長期賃貸か短期宿泊か)・付帯工事費用などを一定の前提で計算した参考値です。実際には稼働率が低い時期や初期の集客コストなどで変動します。個別の条件を踏まえた試算は、PACO側に具体的な状況を共有した上で確認されることをお勧めします。

土地を持っていなくても土地活用は検討できますか?

可能なケースはあります。地方の安価な土地を取得してトレーラーハウスを設置する形で検討される方もいます。ただし土地の購入費用が加算されるため、初期投資総額と利回りの試算は土地代込みで計算し直す必要があります。「土地あり」と「土地なし・取得から」では収支構造が相当変わりますのでご注意ください。