iDeCoもNISAも始めた。でも、もう一段の資産形成が欲しい——そう感じている30代会社員の方にとって、「遊休地活用」は縁遠いテーマに映るかもしれません。土地を持っていない人にこそ、この分野の仕組みを知っておく価値があります。今回は業界でよく語られる"常識"を一度ひっくり返してみます。

「都市の土地は稼げる」——表面利回りを比べると話が変わります

不動産投資の世界でよく言われるのが、「立地が良い=都市部ほど稼げる」という考え方です。賃料水準は都市部のほうが高い。それは事実です。ただし、それが「投資効率の高さ」に直結するかというと、別の話になります。

都市部の土地は取得コストが高く、建築規制も複雑で、競合物件も密集しています。結果として表面利回りは地方物件より低くなるケースが少なくありません。「都市の遊休地=高収益」という等式は、思っているより成立しにくいのが実態です。

地方の観光導線上にある空き地が、なぜ都市を上回ることがあるのか

筆者が注目しているのは、地方の"観光導線上にある遊休地"です。たとえば、温泉地の近く、国立公園の入口付近、高速インターから10分圏内の農村エリアなど。土地の取得コストや固定費が低い一方で、宿泊需要が特定の季節・エリアに集中しやすい特性があります。

需要と供給のバランスでいえば、競合施設が少ない分、稼働率を維持しやすいケースがあります。筆者自身、地方立地のトレーラーハウス案件に関わった際、繁忙期(ゴールデンウィーク〜秋の連休)の稼働率が想定より高く推移した事例を見ています(モデルケース。立地・季節・運営体制により変動)。一方で最初に閑散期の収支を甘く見積もってしまい、年間シミュレーションをやり直すことになった——という失敗もありました。閑散期は別途、保守的に試算することが欠かせません。

「土地を持っていないと関係ない」は本当でしょうか

遊休地活用というと、「土地オーナーの話でしょ」と思われがちです。ただ、土地を持っていない会社員にも関係する入口があります。それが、地主から土地を賃借してトレーラーハウスを設置・運用するアプローチです。

土地を購入しない分、初期投資を抑えてスタートできるケースがあります。PACOが取り組む木造2×4構造のトレーラーハウスは、1台あたり概ね990万〜1,500万円のレンジで検討されるケースが多いですが(モデルケースであり、物件仕様・サイズ・立地・付帯工事により上下します)、土地取得コストが不要になる分、資金計画の前提が変わってきます。融資を活用する場合の自己資金水準は、金融機関や個人の信用状況によって異なります。

帳簿上は赤字なのに、手元のキャッシュが増える——この構造はどういうことか

年収550万円・32歳という属性で注目したいのが、減価償却を使った所得圧縮の仕組みです。トレーラーハウスは一般的に短い耐用年数で償却できるケースがあり、帳簿上の損失を給与所得と損益通算することで、所得税・住民税の圧縮効果が想定されます。

たとえば(あくまで仮定のモデルケースですが)、年間の減価償却費が大きく計上される初期数年は、実際のキャッシュフローがプラスでも帳簿上は赤字になる構造が生まれることがあります。課税所得が200万円圧縮されれば、税率20%の方であれば年間40万円規模の節税効果が試算上は生まれる計算です。ただし、税務上の扱いは個人の状況により大きく異なりますので、税理士への確認は必須です。

動く前に、自分の「課税所得」と「年間余剰キャッシュ」を確認してください

「面白そうだけど、自分には関係ないかも」で終わらせてほしくないのが、このテーマです。最初の一歩として有効なのは、自分の現在の課税所得(源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から各種控除を引いた数字)と、投資に回せる年間キャッシュを確認することです。

iDeCoやNISAと組み合わせることで、節税と資産形成を複線化できる可能性があります。Airbnb評価4.8の運用実績を持つ事例など、具体的な収支数字は問い合わせベースで確認できます。焦らず、自分の前提条件を整理した上で情報収集を続けてみてください。

よくある質問

土地を持っていない会社員でも、遊休地活用に関わる方法はありますか?

土地を持っていない場合でも、地主から土地を借りてトレーラーハウスを設置・運用するモデルへの参加が検討できるケースがあります。ただし、土地賃借契約の条件や期間によってリスクも変わります。契約期間が短い場合は撤退コストも含めた収支計画が必要です。

年収550万円の会社員が融資を受けるのは現実的ですか?

融資の可否は金融機関の審査基準や個人の信用状況に依存するため、一概には言えません。住宅ローンがない分、与信余力があると見られるケースもありますが、事業計画の精度や自己資金の割合が審査に影響します。1行だけでなく複数の金融機関に打診するのが現実的なアプローチです。

地方立地のトレーラーハウスは閑散期の収支が心配です。どう試算すればいいですか?

閑散期の稼働率低下は正直なリスクです。年間収支シミュレーションを作る際は、繁忙期だけでなく閑散期の稼働率を保守的に(たとえば30〜40%程度)に設定することをおすすめします。季節変動が大きい立地では、繁忙期の数字だけで判断せず、年間の平均稼働率ベースでキャッシュフローを検証するのが基本です。