iDeCoもNISAも始めた。でも、なんとなく「もう一段」が欲しい。そう感じている30代前半の会社員の方から、最近こういう質問をよくいただきます。「Airbnb運営って、結局、都市じゃないと無理ですよね?」。その前提、一緒に数字で確かめてみましょう。

「都市の方が稼げる」は稼働率の話であって、利回りの話ではない

民泊投資を調べ始めると、「立地は駅近・都市部が絶対」という情報に必ずぶつかります。稼働率だけで見れば、都市部の方が高くなるケースは多い。ただし、そこに「初期投資の金額」という変数を加えると、話が変わってきます。

都市部でAirbnb向きの物件を取得しようとすると、エリアによっては2,000万〜5,000万円超の初期投資が必要になることも珍しくありません。一方、地方や郊外の土地活用型であれば、物件仕様・サイズ・付帯工事によって上下しますが、1台あたり概ね990万〜1,500万円のレンジで検討されるケースがあります(モデルケース/物件仕様や立地で変動)。

稼働率が高くても、分母である初期投資が大きければ利回りは下がります。「都市で高稼働」が「都市で高利回り」を意味するとは限らない。これが、多くの人が見落としがちな論点です。

競合が少ない地方は「閑散」ではなく、稼働率が読みやすい市場かもしれない

都市部のAirbnb市場はここ数年で供給が増え、価格競争が起きているエリアも出てきました。対して地方の観光地・自然拠点・体験型エリアでは、まともな宿泊施設自体が少ない場所があります。

需要が小さくても、供給がさらに小さければ稼働率は意外と安定するケースがあります。筆者自身が運営に関わった地方自然立地のトレーラーハウス2棟では、「移動の利便性」より「行ってみたい体験」への需要が強く働いていると感じています。ただし正直に言うと、最初は写真と説明文の質を軽視していて、開業初月の稼働率が30%台に終わった経験もあります。プラットフォームの見せ方は、立地と同じくらい結果に影響しました。立地の見極めと運営準備、どちらも手を抜けない、という話です。

「民泊は節税しにくい」という一般論を、自分の年収で試算する前に信じないでほしい

よく聞く誤解に「Airbnb運営は所得が雑収入になるから節税しにくい」というものがあります。これ、事業規模・物件の属性・構造によってかなり違います。

木造2×4構造のトレーラーハウスのような建物は、法定耐用年数の観点から減価償却期間が短くなるケースがあります。年収550万円程度の給与所得者が副業として組み合わせたモデルケースでは、減価償却を活用することで課税所得を一定程度抑えられる可能性が想定されます。ただし税務上の取り扱いは個々の状況によって異なるため、税理士との確認が必須です。「節税できない」という一般論を鵜呑みにする前に、自分のケースで試算してみることをお勧めします。

試算書の「稼働率70%」より先に確認すべき、たった一つの質問

Airbnb運営の試算書を見るとき、多くの人は「稼働率」と「宿泊単価」の数字に目が行きます。筆者が最初に確認するのは「その稼働率の根拠は何か」です。周辺の類似物件の実績なのか、プラットフォーム全体の平均なのか、それとも単なる希望値なのか。ここが曖昧な試算書は、数字がきれいでも信頼しにくい。

参考として、木造2×4構造のトレーラーハウス1台・地方観光エリア・初期投資1,200万円(モデルケース)・稼働率55%・平均宿泊単価15,000円という前提で試算すると、月間収入は約24万円、年間想定利回りは20%を超えるケースも想定されます。ただしこれは前提条件がそろった場合のモデルケースであり、実際の数値は立地・稼働状況・運営コストによって大きく変わります。

1棟から試して、数字が出たら増やす——この順番が30代の副業投資家に合っている理由

民泊投資を「いきなり大きく始めなければいけないもの」と思っている方も多いですが、そんなことはありません。1棟から試して数字が出たら増やす、合わなければ撤退しやすい構造の物件を選んでおく。この順番で動ける選択肢があることは、30代の副業投資家にとって重要な視点です。

まずは「自分の場合、どういう前提なら成立するか」を試算してみることが最初の一歩です。特定の商品への申し込みより先に、自分の数字を持っておくことをお勧めします。

よくある質問

住宅ローンをまだ組んでいない場合、民泊用物件の取得は将来の審査に影響しますか?

住宅ローンの有無は、民泊用物件の取得可否とは直接連動しません。ただし融資条件は金融機関や物件属性によって異なります。将来の住宅ローン審査への影響を考慮しておくことは大切で、事前に金融機関やファイナンシャルプランナーへの相談をお勧めします。

副業としてAirbnb運営を始めた場合、確定申告は必要になりますか?

給与所得以外の所得が年間20万円を超える場合、原則として確定申告が必要です。民泊収入は事業規模によって事業所得または雑所得として扱われることがありますが、区分の判断は状況によって異なります。税理士への事前確認をお勧めします。

地方立地のトレーラーハウス民泊は、冬季など閑散期の稼働率が極端に下がりませんか?

立地と物件コンセプトによって大きく差があります。スキー場や温泉地など冬型の需要があるエリアでは、むしろ冬が繁忙期になるケースもあります。一方、夏型の自然立地であれば冬季の稼働率低下は現実として起こりえます。季節変動を加味した保守的な試算をしたうえで、それでも成立するかどうかを判断することが重要です。