区分マンションやアパートで一定の実績を積んできた投資家が、次のステップとして民泊・Airbnb投資を検討するケースが増えています。ただ「利回りが高い」という話だけでは動けないのが、数字に厳しい方の本音ではないでしょうか。今回は前提条件を明示しながら、収支・税・出口を具体的な数字で整理します。

「利回り」の分母が変わると、話がまるで違う

民泊・Airbnb投資の利回りが高く見える理由の一つは、1泊あたりの単価をそのまま年換算している試算が多いからです。「1泊3万円 × 365泊」で計算すれば表面利回りは非常に高くなりますが、地方物件では実稼働日数が年間の半分以下というのは珍しくありません。よくある失敗は、稼働率を楽観的に設定したまま購入を決め、冬場に収入が半減して資金計画が崩れるケースです。稼働率35〜45%を現実的な範囲と見て逆算するのが出発点です。

既存の不動産投資で培った「満室想定から実態を引き算する」視点は民泊でもそのまま使えます。ただし、季節変動の幅が通常の賃貸より大きい点は留意が必要です。冬場の稼働率が夏の半分以下になる立地も少なくありません。

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稼働率35%で試算を組むと、何が見えてくるか

以下はPACO STAYの公開数字をもとにしたモデルケース(架空の設定)です。実際の運用成果を示すものではありません。

前提条件

購入価格:1,453万円(1棟・プロジェクトにより異なる)/立地:栃木県真岡市のグランピング施設内/1泊単価:32,000円/稼働率:35%(年間約128泊)/運営:予約・清掃・メンテナンス等すべて運営会社に委託/個人購入・給与所得あり・課税所得1,800万円超を想定。

年間収支のイメージ

稼働率35%のとき、月額送金額は176,800円の試算です(稼働率25%なら108,667円、45%なら244,933円と変動します)。年間では約212万円の送金額になる計算です。ここから分割払いの支払いを差し引くと、月次ではマイナスになるケースも想定されます。この試算で着目すべきは「税の構造」です。

減価償却が変える手残りの構造

PACO-TRAILER(木造2×4工法のトレーラーハウス)は車両運搬具として動産扱いとなり、法定耐用年数4年・定率法での償却が可能です。初年度の償却額は大きく、他の給与所得等に対する課税額を圧縮するかたちで税負担が減少するケースがあります。課税所得が1,800万円を超える場合、実効税率は約50%(所得税45%+住民税10%の合算から逆算)となるため、この効果が相対的に大きくなります。ただしこれはあくまで試算であり、実際の税効果は個人の状況や税制改正により変わります。税理士等への確認を前提としてください。

モデルケース(真岡・個人・5年ごとに乗り換え・売却額は残債と同額と仮定)では、10年で手元に残る現金は+480万円という試算が出ています。ただし売却価格は市場環境に左右されるため、この仮定の精度が全体の試算に大きく影響する点は先に織り込んでおく必要があります。

4年・5年の節目を意識した「出口」の設計

区分マンションやアパートの出口と民泊の出口は、時間軸の考え方が異なります。減価償却が終わる4年目以降は税の効果がなくなるため、5年を超えた時点での売却・乗り換えを前提に設計するのが一つの考え方です。中古(耐用年数2年)へ乗り換えることで、再び償却の効果を活用するというサイクルです。

既存の賃貸不動産との違いは、「売却先が見つかるか」という問いに対して不動産市況だけでなく、民泊需要や施設の集客力も変数になる点です。数字に厳しい方ほど、この出口の不確実性を先に織り込んで試算を組むことが重要です。

既存ポートフォリオに加える前に確認したい2点

区分マンション・アパートとAirbnb投資の最大の違いは、収入の変動幅です。賃貸は契約ベースで月次収支が読みやすいのに対し、民泊は季節・競合・プラットフォームの仕様変更にも左右されます。その変動をポートフォリオ全体でどう受け止めるかを先に確認しておく必要があります。

PACO STAYのように運営をすべて委託する形式であれば、オーナー自身の稼働時間はほぼ発生しません。ただしそれは「収支の管理や判断を手放す」という意味ではなく、定期的に稼働率・送金額・施設状況を確認する姿勢は変わらず必要です。

検討を進める前の、小さな確認リスト

まず自分の課税所得と現在の所得税率を確認することが出発点です。税の効果が相対的に大きくなるのは、高い税率のゾーンにいる場合です。次に、分割払い(審査あり)を使う場合の月次収支と税効果のタイミングのズレを把握しておくことが重要です。送金は月次で発生しますが、節税効果が現金として手元に戻るのは確定申告後です。この時間差を現金フローとして先に組み込んでおかないと、手元資金が想定より早く減るケースも考えられます。

詳細な数字や各プロジェクトの概要は PACO STAY 販売中プロジェクト一覧 でご確認いただけます。個別の試算については、お問い合わせいただければ編集部から担当者を案内することも可能です。

よくある質問

Airbnb投資と通常の不動産投資は、節税の仕組みが違うのですか?

建物の構造や用途によって減価償却の耐用年数が異なります。PACO-TRAILERは車両運搬具として動産扱いとなり、法定耐用年数4年・定率法での償却が可能なため、初期の償却額が大きくなるケースがあります。一般的なRC造マンション(耐用年数47年)とは償却スピードが大きく異なります。ただし実際の税効果は個人の状況に依存するため、税理士への確認を前提としてください。

稼働率35%という前提は、保守的すぎませんか?

稼働率は立地・季節・施設の集客力によって大きく変動します。試算に35%を用いるのは、低い稼働率でも収支が成立する設計かどうかを確認するためです。45%を超えると月額送金額は244,933円(試算)になりますが、その水準が継続的に達成されるという前提では設計しないほうが安全です。変動するものとして見るのが基本姿勢です。

既存のアパートや区分マンションと掛け持ちすると、融資への影響はありますか?

分割払い(提携の信販)は動産割賦にあたるため、不動産担保ローンとは別の枠として審査されることが多いですが、個人の与信状況や金融機関の判断によって異なります。既存の借入状況が新たな分割払いの審査に影響する可能性はあります。既存ポートフォリオへの影響については、事前に金融機関や担当者に確認しておくことを選択肢の一つとして挙げるにとどめます。