区分マンションやアパートで数字の読み方が身についてくると、次のアセットを検討するとき「この利回りは本当に信頼できるのか」という問いが自然と浮かびます。トレーラーハウスをホテル客室として運用するPACO STAYについても、同じ問いから入るのが誠実だと編集部は考えています。今回は前提を一つひとつ開示しながら、試算の中身を分解します。
「利回り7.7〜14.6%」——この幅は何を意味しているのか
PACO STAYの想定利回りとして7.7〜14.6%という数字を掲載しています。この幅は、稼働率の違いによるものです。「1泊32,000円、稼働率35%」を基準とした試算で、稼働率が上下するとそのまま利回りが動く設計です。
前提を固定して1棟(税込1,453万円〜)で計算すると、稼働率35%のとき月額送金額は176,800円、年額で約212万円。これを取得価格1,453万円で割ると、年間利回りはおよそ14.6%という計算になります。一方、稼働率が25%に落ちると月額送金額は108,667円(年130万円)、利回りは約9%まで下がります。
この幅を「誠実な開示」と読むより「不確実性そのもの」と読む方が、判断の出発点として適切です。稼働率は運営側の努力だけでなく、立地の競合状況や季節変動にも左右されます。
区分・アパートと比べて、何が根本的に違うのか
区分マンションで毎月得る収入は「家賃」であり、減価償却は建物部分を法定耐用年数(RC47年など)で長期にわたって取ります。一方、PACO STAYの客室は木造2×4工法のトレーラーハウスで、車両運搬具として動産扱いになります。法定耐用年数は4年・定率法。初年度に取れる償却額が集中するのが、既存不動産とは大きく異なる点です。
償却期間が短い分、「節税の恩恵が4年で終わる」という制約もセットで理解する必要があります。長期保有でキャッシュフローを積み上げるアパート経営とは、設計思想が根本的に異なります。よくある誤解として「利回りが高いから不動産の代替になる」という見方がありますが、償却スケジュールと出口の作り方が全く異なるため、同じ尺度で比較すると判断を誤るケースが想定されます。
5年間の現金収支、前提を開示すると何が見えるか
モデルケースの設定(架空の試算)
以下はすべて架空のモデルケースです。取得価格1,453万円・分割払い(最長10年120回・審査あり)利用・稼働率35%・1泊32,000円・個人・課税所得1,800万円超(実効税率50%と仮定)・真岡プロジェクトを対象としています。売却は5年目末、売却額は残債と同額と仮定しています。
収支の骨格
分割払いを利用した場合、月々の返済額は月額送金額(176,800円)を上回ります。その差額は持ち出しになります。一方で、4年間で1,453万円分を定率法で償却できる設計のため、課税所得1,800万円超の個人の場合、他の所得にかかる税が大幅に減るケースがあります。その税の減少分が月々の持ち出しを上回る構造になっているかを確認することが、判断の出発点になります。
上記条件のモデルケース(真岡・5年で売却・個人)では、手元に残る現金が+480万円という試算があります。ただし、これは「売却額が残債と完全に一致する」「稼働率が35%で推移する」「税率が変わらない」という複数の仮定を重ねたものです。条件が一つでも変われば、数字は上にも下にも動きます。
出口は「売る」だけではない——「乗り換え」という選択肢の現実
償却が終わる4年目以降は節税効果がなくなります。そのため、5年を超えた時点で売却し、中古(耐用年数2年)へ乗り換えるサイクルを繰り返す設計が用意されています。アパートのように「10年保有して大規模修繕」という発想ではなく、5年ごとに資産を精算し直す構造です。
ただし、出口戦略を「乗り換え」に組み込む場合、中古トレーラーハウスの流通市場が機能していることが前提になります。現時点では中古流通の実績が限られているため、売却価格を楽観的に見積もるのはリスク管理として適切ではありません。「売却できる前提」と「売却価格の前提」は分けて確認する必要があります。
検証できる数字と、現時点では検証できない数字
試算として示せる部分——償却額、月額送金額の計算式、モデルケースの現金収支——は、前提が明示されていれば比較的検証しやすい数字です。一方、「稼働率が本当に35%を維持できるか」「5年後の売却価格はいくらか」「分割払いの審査が通るか」は、現時点では確約できない変数です。
既存の不動産資産とは減価償却の速度も出口の作り方も異なるアセットです。編集部としては、まず販売中のプロジェクト一覧(https://paco-house.com/trailer/sales/)で各プロジェクトの個別条件を確認し、税理士や会計士と自身の課税状況を照らし合わせることを最初の一歩として提案します。
よくある質問
分割払いを使うと、毎月の実質的な持ち出しはどのくらいになりますか?
月額送金額(稼働率35%の前提で176,800円)と分割払いの月々の返済額との差額が持ち出しになります。ただし、課税所得が高い個人の場合、定率法・耐用年数4年の減価償却による税の減少分がその差額を上回るケースがあるという試算があります。持ち出し額の具体的な数字は審査結果や適用金利によって変わるため、分割払いの条件が確定した段階で計算することをお勧めします。あくまで試算であり、確定した収支を示すものではありません。
5年後に売却できる根拠はどこにありますか?
売却を約束する制度はありません。モデルケースで「売却額は残債と同額」と仮定しているのは試算上の整理であり、実際の売却価格は市場環境や当該トレーラーハウスの状態によって変わります。動産(車両運搬具)として扱われるため不動産市場とは別の流通経路になりますが、現時点では中古流通の実績が限られている点は認識しておく必要があります。
運営はどこまで委託できますか?自分で動かなければならない場面はありますか?
旅館業の許可取得・予約管理・清掃・リネン・メンテナンスまで、運営はすべて当社グループが担う賃貸管理委託方式です。オーナー自身が日常的に現地に出向いたり、予約対応をしたりする必要はありません。ただし、重要事項の確認や契約更新など、意思決定が必要な場面では連絡が入ることがあります。