iDeCoもNISAも始めた。でも、もう一段先に進みたい——そう思い始めたとき、多くの人が「土地活用で利回りを上げる」という方向に目を向けます。ただ、ここで一度立ち止まってほしいことがあります。「高利回りを狙うなら、やっぱり都市部の物件?」という思い込み、実は逆かもしれません。

「都市部ほど有利」という常識、根拠を確かめてみましたか

不動産投資の世界では長らく「都市部は需要が安定しているから安全」「地方は空室リスクが高い」という常識が語られてきました。賃貸仲介を15年経験した筆者も、現場でそう言い続けていた一人です。ただ、これは「区分マンション」や「一般賃貸アパート」の文脈での話であって、すべての土地活用に当てはまるわけではありません。

実際、都市部の土地に何かを建てる場合、土地の取得コストや固定資産税がそもそも高い。利回りの計算式は「年間収益 ÷ 初期投資額」ですから、分母が大きくなれば、同じ収益でも利回りは下がります。たとえば同じ年間収益120万円でも、初期投資が2,000万円なら表面利回り6%、3,000万円なら4%です。都市部の土地コストが利回りを圧縮するケースは、珍しくありません。

地方の空き地が「稼げる構造」になりやすい理由

一方、地方や郊外の遊休地はどうでしょう。土地の取得コストや課税評価額は都市部より低く抑えられることが多く、その分、同じ収益が出た場合の表面利回りは高く出やすい。さらに、観光地・道の駅周辺・アウトドアスポット隣接エリアなど、「人が泊まりたい理由がある場所」は地方にこそ点在しています。

筆者が現在運用しているトレーラーハウスも、どちらも地方立地です。一方は温泉地の近く、もう一方はキャンプ需要のある山間エリア。Airbnbの評価は4.8前後で推移していますが、稼働を支えているのは「都心に近いから」ではなく「そこでしかできない体験があるから」という理由です。正直に言えば、最初は「地方で本当に埋まるのか」と不安で、1棟目の予約が入るまでの2週間はかなり落ち着かなかった記憶があります。ふたを開ければ週末は早々に埋まりましたが、その不安は「立地の見極め」を甘く見ていた自分への戒めになっています。

「撤退できる構造」が、利回り計算の前提を変える

土地活用で見落とされがちなのが、出口の設計です。アパートや駐車場は一度整備すると、撤去や転用にコストがかかります。対してトレーラーハウスは、構造上移設が可能なケースがあり、万が一の際に「物件を動かす」という選択肢が残りやすい。

これは利回りの数字には現れませんが、投資判断の質を変える要素です。たとえば年収550万円の会社員が副業として取り組む場合、「やり直しのきく余地」があるかどうかは、精神的にも財務的にも判断の重さを変えます。撤退コストが読みにくい投資ほど、初期判断に過剰なプレッシャーがかかりがちです。

帳簿上の所得が減るのに、手元キャッシュが増えるのはなぜか

節税志向の方に確認しておきたい点があります。木造2×4構造のトレーラーハウスは耐用年数が短く設定される場合があり、減価償却を活用した所得圧縮効果が想定されるケースがあります(※税務上の扱いは個人の状況・税理士の判断によります)。帳簿上は「経費」が増えて所得が下がる一方、実際のキャッシュアウトは発生しない——この構造が、節税と副収入を同時に求める方に注目されている理由の一つです。

ただし、効果の大きさは年収・所得構成・他の控除との兼ね合いによって変わります。「必ず節税になる」と断言できるものではなく、税理士との事前確認は必須です。あくまで「そういうケースがある」という認識で臨んでください。

業者の説明を聞く前に、自分で持っておくべき三つの前提

土地活用の利回りを比較する前に、「何に対しての利回りか」「撤退可能性はあるか」「税引き後のキャッシュはどう動くか」——この三点を自分なりに整理しておくと、業者の説明を聞く際に数字の根拠を問い返しやすくなります。

PACOのトレーラーハウス投資は、1台あたり概ね990万〜1,500万円のレンジで検討されるケースが多いモデルケースです(物件仕様・サイズ・立地・付帯工事によって上下します)。「いくら出せば何が返ってくるか」の前提を自分で置けるようになってから、具体的な問い合わせや比較検討を始めるのが、遠回りに見えて一番早い道だと考えています。

よくある質問

地方のトレーラーハウス投資は空室リスクが高いのではないですか?

立地の選び方次第、というのが正直なところです。観光需要・アウトドア需要・温泉エリアなど、「そこへ行く理由」がある場所であれば、都市部の一般賃貸とは異なる需要構造が働くケースがあります。ただし、需要のない地方に置けばリスクが高まるのも事実。立地の見極めが投資判断の核になります。

年収550万円の会社員でも融資を受けられますか?

融資条件は金融機関・物件・申込人の属性によって大きく異なります。「融資が通る・通らない」を一概には言えませんが、勤続年数や他のローン残高、自己資金の有無が審査に影響するとされています。融資条件によっては自己資金を抑えてのスタートが想定されるケースもありますが、詳細は金融機関への個別確認が必要です。

減価償却による節税効果はどのくらい見込めますか?

効果の大きさは、年収・給与所得控除・他の控除額・物件の耐用年数などによって変わります。あくまでモデルケースとしての試算は可能ですが、「必ずこれだけ節税できる」という断言はできません。投資判断の前に、必ず税理士に個別の試算を依頼することをお勧めします。