区分マンションやアパートを手がけてきた方なら、利回り計算の解像度はすでに高いはずです。それでも「次の一手」として土地活用を検討するとき、アセットごとに数字の前提条件が大きく異なるため、単純な利回り比較では判断しにくい局面があります。ここでは、よくある見落としを一般論として整理しながら、別アセットとしての土地活用の構造を確認していきます。
「表面利回り8%」が、気づけば実質4%を切っていたケース
土地活用の失敗事例として広く知られるのが、「駐車場や資材置き場として賃貸したものの、初期投資の回収前に賃借人が退去し、その後テナントが見つからない」という展開です。表面利回り8%でも、空室期間・管理費・固定資産税・修繕費を差し引くと実質利回りが半分以下になるケースがあります。さらに、撤退しようにも更地返還費用が発生し、身動きが取れなくなる事例も報告されています。
ここから読み取れるのは、「利回りは出口コストと空室リスクをセットで考えなければ試算が成立しない」という点です。既存の不動産投資で培ってきた感覚は有効ですが、アセットが変わればリスクの構造も変わります。意外と見落とされがちなのが、「撤退コストの試算を入口の段階でしていない」という点で、これが後から判断の選択肢を狭める原因になりやすいです。
利回りの「前提条件」を先に確認しないと、試算ごと崩れる
収益を試算する際に欠かせないのが、売上の前提条件の明示です。たとえばPACO STAYの場合、「稼働率35%・1泊32,000円」という前提を置いたとき、想定利回りは7.7〜14.6%(試算)という幅になります。この幅の広さ自体が、「稼働率が変われば収益は大きく動く」という性質を端的に示しています。
稼働率35%とは、30日のうち約10〜11泊が埋まっている状態です。グランピング施設としては保守的な数字に見える場面もありますが、閑散期や立地条件によっては下回ることも想定されます。数字を評価するときは、その前提が自分の目線で現実的かどうかを検証することが出発点になります。
「動産」という分類が、出口戦略の選択肢を変えることがある
PACO STAYが扱う客室は、木造2×4工法で製造されたトレーラーハウス(車両運搬具)です。不動産ではなく動産として扱われるため、売却・移動・乗り換えという選択肢が構造上存在します。これは、「撤退コストが読みにくい」という土地活用の典型的な弱点とは異なる性質です。
もちろん、売却価格が購入価格を下回るリスクはあります。ただ、土地・建物が一体となった不動産投資と比較したとき、出口のルートが複数ある点は判断の幅を持たせる要素になりえます。アセット分散を検討する際の比較軸の一つとして、「撤退コストをどう見積もるか」を加えてみることが考えられます。
節税の「時間軸」を先に確認しないと、試算が崩れる
車両運搬具の法定耐用年数は4年(定率法)です。償却が終わる5年目以降は税の効果が大きく減少するため、PACO STAYでは5年を超えた時点での売却・中古への乗り換えを前提とした設計になっています。モデルケース(架空・真岡エリア想定・個人・5年ごとに乗り換え・売却額は残債と同額と仮定)では、10年で手元に残る現金が+480万円という試算があります。
ただしこれは課税所得1,800万円超の個人を前提とした試算です。税率・所得・売却条件が変われば結果は変わります。節税効果を軸に検討する場合は、自身の課税状況を前提に据えた上で、税理士と数字を確認するプロセスが必要です。試算をそのまま自分に当てはめることには注意が要ります。
比較軸を整理してから判断する――「次の一手」を探しているなら
規模拡大か、別アセットでの分散か。どちらが合理的かは、現在のポートフォリオの空室リスク・融資余力・税負担のバランスによって異なります。土地活用を選択肢として検討するなら、「利回りの前提条件」「空室時のコスト構造」「出口コストの試算」の3点を自分の数字で確認してから判断することが、遠回りのようで一番の近道です。
PACO STAYの概要や販売中のプロジェクトは こちらのページ で確認できます。数字の前提や構造の詳細を確認した上で、ご自身の投資方針と照らし合わせてみてください。
よくある質問
分割払いで購入する場合、自己資金は必要ですか?
提携の信販会社による分割払い(最長10年・120回)を利用する場合、自己資金0円で購入できるケースがあります。ただし審査があり、承認を保証するものではありません。また、月々の支払額が月額送金額を上回る月が発生するため、差額分の持ち出しが生じることがあります。キャッシュフローの試算をあらかじめ確認した上でご判断ください。
稼働率が想定を下回った場合、収益はどう変わりますか?
月額送金額は稼働率に連動します。前提(1泊32,000円)を置いたモデルケースでは、稼働率25%のとき約108,667円、35%のとき約176,800円、45%のとき約244,933円という試算になります。稼働率が下がれば送金額も下がるため、最悪シナリオを含めた試算を手元に持つことが判断の基礎になります。収益を保証するものではありません。
本業が忙しい場合でも運営できますか?
旅館業の許可取得・予約管理・清掃・リネン・メンテナンスを含む運営業務は当社グループへの委託となります。オーナーが日常的に運営に関与する設計にはなっていません。ただし、売却・乗り換えなどの意思決定はオーナー自身が行う必要があります。