年収1,800万円前後の経営者から「不動産は経験がないから後回しにしてきた」という話をよく聞きます。ただ正直に言うと、私自身も以前は同じ発想で、「不動産=アパートかマンション」という枠の外を長らく見ていませんでした。その思い込みを崩してくれたのが、トレーラーハウスという選択肢でした。
「不動産投資=築古アパートかタワマン」という前提を一度外してみると
従来の不動産は「固定資産=動かせないもの」が大前提です。その前提ごと外れているのがトレーラーハウスで、構造上は道路運送車両法上の「車両」として扱われるケースがあります。建物ではないため、建築確認や用途地域の制約を受けにくい局面があり、都市計画法の規制が強い市街地では難しい宿泊施設を、郊外や山間地で展開できる可能性が生まれます。
不動産の"常識"に染まっていないほど、この構造的な違いを素直に受け取りやすい。経験がないことが、むしろ思考の自由度につながるケースがあると感じています。
「一等地でないと稼げない」という思い込みが、利回りを圧縮している
今日いちばん疑ってほしい前提がここです。人口の少ない地方エリアでも、自然・温泉・アウトドア体験を目的とした宿泊需要は根強く存在します。競合施設が少ない分、稼働率が安定しやすいケースもあります。
都心の区分マンションは取得価格が高く、利回りが3〜4%台に圧縮されがちです(エリア・築年数によって変動)。同じ資金を地方の宿泊型トレーラーハウスに投じた場合、想定利回りの水準が大きく変わるケースがあります。PACOが運用支援している郊外立地の物件では、Airbnb評価4.8前後を維持している事例もあります——これは個別事例ですが、立地の選び方次第で数字が変わることを示す一例だと思っています。
「建物でないこと」が、税の計算上で逆に機能する局面がある
法人税対策を本気で考えているなら、ここは具体的に整理する価値があります。トレーラーハウスは車両・器具備品として減価償却の対象となるケースがあり、耐用年数が建物(木造22年、鉄骨造34年など)より短く設定されることがあります。耐用年数が短いほど1年あたりの償却額が大きくなるため、短期間での所得圧縮効果が想定されます(税務上の扱いは法人・個人の区分や取得形態によって異なるため、税理士への確認が必須です)。
たとえば法人名義で取得し宿泊事業として運用する場合、売上・減価償却・修繕費などを損益計算に組み込める可能性があります。株式や投資信託では構造上得にくい「事業としての費用計上」が、ここには潜んでいます。
「撤退できない」が不動産リスクの本質——その点でトレーラーハウスは構造が違う
不動産未経験の経営者が最初に躊躇する理由のひとつが「撤退できなくなるのでは」という恐れです。これは従来の不動産には正直当てはまります。土地建物は売却に時間がかかり、市況次第では損切りすら難しい。
トレーラーハウスは、移動できます。立地が合わなければ別の場所への移設という選択肢が残っています。ただし移設には数十万円規模のコストと許認可の再確認が伴うため、「簡単に動かせる」と受け取るのは正確ではありません。それでも、固定資産のように永久に縛られるリスクが構造的に小さいことは、スピードと確実性を重視する経営者にとって無視しにくい特性だと思います。
「自分の場合」を試算する前に、まず確認すべき3つのこと
初期投資は物件の仕様・サイズ・立地・付帯工事によって変わります。モデルケースでは1台あたり概ね990万〜1,500万円のレンジで検討されることが多いですが、物件仕様や立地条件によって上下します。「いくら出せば始まるか」より先に整理してほしいのは、①使える土地があるか・どこを使うか、②法人取得か個人取得か、③税理士と連携できるか——この3点です。この3つが曖昧なまま数字だけ見ても、判断の精度は上がりません。
よくある質問
不動産投資の経験がなくても運用できますか?
宿泊施設の日常運営はPACO Stayのような運用支援サービスを活用するケースがあり、経験ゼロからスタートされる方もいます。ただし立地選定や取得形態の判断には専門家の関与をお勧めします。「未経験だから不利」とは言い切れませんが、「何もしなくていい」とも言えません。
法人取得と個人取得で何が変わりますか?
減価償却の計上先、売却時の税率、融資条件などが変わる可能性があります。年収1,800万円前後の場合、個人の所得税率が高くなるため法人取得を検討するケースがありますが、既存の法人の財務構造や設立状況によって最適解は変わります。税理士との事前確認が不可欠です。
トレーラーハウスは「車両」扱いなのに、なぜ宿泊施設として運営できるのですか?
道路運送車両法上の車両であっても、適切に設置・接続し、旅館業法や消防法等の要件を満たすことで宿泊施設として運営できるケースがあります。ただし自治体ごとに解釈や運用が異なるため、所管官庁への事前確認が必要です。「どこでも必ずできる」とは言えず、個別の立地・構造で判断が変わります。