「固定資産税だけは毎年しっかり来るんだよね」——そう苦笑いしながら相談に来たのは、田中さん(仮名・57歳)でした。郊外の遊休地を相続して5年。土地があること自体への安心感はあるものの、年間約35万円の固定資産税が家計にじわじわと効いていたそうです。私自身も過去に「とりあえず持っていれば何とかなる」と遊休地を放置した時期があり、気づけば3年間で100万円超の税負担だけが積み上がっていた経験があります。他人事とは思えませんでした。
何もしないのに年35万円が出ていく——遊休地の「見えにくいコスト」
田中さんの土地は、関東圏の駅から電車で約45分の郊外にある約250坪の更地です。地代収入はゼロ。固定資産税の年額は約35万円で、5年間の累計では175万円が土地を持っているだけで消えた計算になります。「何もしないと損が積み上がるだけ」という感覚は、同じ状況の方には共感いただけるのではないでしょうか。
問題は、「では何をするか」の答えが見えにくいことです。新築アパートは建築コストが高く回収に時間がかかる。更地のまま放置するのも現実的ではない。そこで田中さんが最初に検討したのが、中古アパートの活用でした。
「中古アパートを買って土地に置く」は、融資の壁で想定外の難航をした
築20〜25年の木造アパートを購入するケースでは、物件価格自体は抑えられるものの、修繕費・リフォーム費が読みにくく、融資条件も厳しくなりがちです。田中さんの場合、自身の土地が担保として評価された点は有利でしたが、「地方の古い木造」という条件が審査でネックになり、複数の金融機関への打診が必要になりました。
この過程で私がご紹介したのが、木造2×4構造のトレーラーハウスを活用した収益物件(PACO INVEST)という選択肢です。田中さんの事例を軸にしながら、以下で整理していきます。
築22年超の木造を買うと、4年後に節税効果が途切れる
中古アパートで見落とされがちなのが、減価償却の「切れ目」です。法定耐用年数(木造22年)を超えた物件は、簡便法により耐用年数が約4年に短縮されます。短期間で大きく償却できる反面、4年を過ぎると節税効果がほぼなくなり、その後は課税所得が一気に戻ってくるケースがあります。田中さんはこの点を税理士から指摘され、「出口戦略を先に決めないと後で困る」と実感されていました。個人の所得状況によって影響は異なるため、必ず税理士への確認が必要です。
「将来、土地を売るとき建物が足かせになるのが怖い」——固定しない選択肢という発想
田中さんが新設の収益物件に関心を持ったきっかけは、節税よりも「撤去・移設ができる」という点でした。郊外の土地に永続的な建築物を建てることへの心理的抵抗があり、「いずれ売る可能性もある土地に、動かせない建物を置くのは怖い」という懸念を持っていたのです。
PACO INVESTのモデルケースでは、1台あたり概ね990万〜1,500万円のレンジで検討されるケースが多いですが、物件仕様・サイズ・立地・付帯工事によって上下します。新設であるため耐用年数が長く、長期間にわたって所得圧縮効果が想定されるケースもあります。ただしこれはあくまでモデルケースであり、個人の状況によって結果は異なります。
3年後、田中さんが「正直なところ」を教えてくれた
田中さんは中古アパートではなく新設の収益物件を選び、現在1棟を運用中です(モデルケース)。収支については「思っていたよりも安定している」というのが本音だそうです。一方で、「清掃や近隣対応は想定より手間がかかった」とも言っていました。管理会社との連携を早めに整えておくべきだったと振り返っています。
固定資産税の重さは以前より軽く感じるようになったとのこと。ゼロだった収入がプラスに転じたことで、「土地を持っていることの意味」が変わったとおっしゃっていました。数字の正確な開示は控えますが、精神的な変化は大きいようです。
最初にやるべきは「自分の土地のコストを正確に把握すること」
土地活用を考えるとき、中古アパートが向いているケース、新設の収益物件が向いているケース、売却や他の活用法が現実的なケース——前提条件はそれぞれ異なります。田中さんのように、まずは税理士や信頼できるFPに現状の固定費構造を整理してもらうことが出発点になるかもしれません。「自分の土地に毎年いくらかかっているか」を正確に把握することが、結果的に遠回りしない第一歩だと感じています。
よくある質問
中古アパートと新設の収益物件、節税効果はどちらが長続きしますか?
一概にどちらとは言えません。中古アパート(築22年超の木造)は簡便法で耐用年数が約4年となり、短期間で大きく償却できる反面、節税効果が途切れるタイミングがあります。新設物件は耐用年数が長い分、長期間にわたって所得圧縮効果が想定されるケースもあります。どちらも個人の所得水準・税率・出口戦略によって結果が大きく変わるため、必ず税理士に個別相談されることをおすすめします。
郊外の土地でも、収益物件として成立しますか?
立地によります。一般的なアパートよりも広い土地を活用する宿泊施設型の運用(Airbnb等)では、観光需要のある郊外や自然豊かなエリアが強みになるケースがあります。都市部より地代が安い分、初期コストが抑えられる面もありますが、需要の読み方は慎重に行う必要があります。
融資は通りやすいですか?
金融機関・担保評価・申込者の属性によって大きく異なります。中古アパートは担保評価が低くなりやすく、自己資金を多めに求められるケースがあります。新設物件の場合も、土地の評価や事業計画の内容が審査に影響します。複数行に打診してみることが現実的な第一歩です。