区分マンション2戸・アパート1棟と積み上げてきた段階で直面するのは、「規模をさらに広げるか、別のアセットに分けるか」という問いです。どちらかが正解というわけではなく、それぞれに異なるリスクと出口があります。このQ&Aでは、編集部に寄せられた質問をもとに、中古アパート投資の現実的な論点を整理します。

「表面利回り8%」の物件、手元に残るのは実際いくらか

中古アパートの広告に並ぶ利回りは、ほぼ例外なく「表面利回り」です。満室想定の年間賃料を購入価格で割った数字であり、運営コストを一切引いていません。実質利回りを計算するには、管理費・修繕積立・固定資産税・保険料・空室損失・ローン金利を差し引く必要があります。

築20年超の木造アパートでは、外壁塗装・屋根・設備交換といった大規模修繕が購入後5〜10年以内に発生することが多く、1棟あたり200〜500万円規模の一時支出が生じるケースがあります。結果として「表面8%」が手元キャッシュで見ると4〜5%台になることは珍しくありません。購入前に修繕履歴と積算見積もりを取ること、これが実質利回りを読む最初の手順です。

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融資が通っても、10年後に売れる物件かどうか、どう判断するか

「出口を先に考える」は不動産投資の定石ですが、具体的には「10年後に誰が買うか」を想定することです。築古木造アパートは法定耐用年数(22年)を超えると融資が付きにくくなり、買い手が現金購入者に限られます。買い手の属性が絞られれば、売却価格にも影響が出やすくなります。

よくある失敗として、「利回りが高い」という理由だけで耐用年数切れ直前の物件を購入し、数年後に売ろうとしたところ買い手がつかず、大幅な値引きを余儀なくされたというケースがあります。一方、土地値が購入価格の6〜7割以上ある物件は、建物の劣化が進んでも土地の流動性で出口を作りやすいとされます。路線価・実勢価格・土地建物の按分を確認し、「最悪、更地にして売れるか」という視点を加えるだけで、リスクの見え方がかなり変わります。

すでにアパートを持っているのに、もう1棟増やす意味はあるか

規模拡大には合理性があります。1棟の空室リスクが全体収益に与える影響が小さくなり、管理の手間も分散できます。ただし、融資の追加枠・担保余力・年収に対する総債務残高の比率は、棟数が増えるほど審査上のネックになることがあります。金融機関によっては、既存物件の収益性を改めてチェックし、追加融資を絞るケースもあります。

「規模拡大」か「別アセットへの分散」かは、手元の融資余力と今後5〜10年の市況観によって変わります。同じ不動産でも、流動性・償却年数・管理の手間が異なるアセットを一定割合持つことが、リスク分散として機能することがあります。たとえば、動産扱いのトレーラーハウス型施設(車両運搬具・木造2×4工法)は法定耐用年数4年で定率法償却でき、実物不動産とは異なる税務上の性格を持ちます。分散の選択肢の一つとして知っておく価値はあるかもしれません。

節税目的で中古アパートを買うのは、今でも筋の通る戦略か

築古木造アパートの短期償却(耐用年数切れ物件は最短4年)を使った所得圧縮は、節税策として広く使われてきました。ただし2022年以降、金融機関の融資姿勢の変化や、税務当局による「経済的合理性のない取引」への目線が厳しくなっているという指摘があります。節税効果を取りに行く場合は、物件の収益性・出口の蓋然性・融資条件を三点セットで検討することが前提になります。

見落とされがちな点として、「税が減る」こと自体はキャッシュの増加ではなく、「支払う税額が減る」という効果にすぎません。物件から生まれるキャッシュフローが赤字であれば、節税額以上の持ち出しが生じることもあります。税理士との連携を前提に、収益・節税・出口を一体で試算することが現実的な進め方です。

現状の棚卸しなしに動くと、何が読めなくなるか

既存ポートフォリオの「実質利回り」「残債と積算価格の差」「追加融資余力」を数字で整理することが、次の一手を考える起点になります。現在保有している物件の出口を先に考えることで、次に何を足すべきかが見えやすくなります。中古アパートの追加取得を検討するにしても、別アセットへの分散を検討するにしても、現状の棚卸しなしに動くとリスクが読みにくくなります。

PACO STAYのような1棟単位のグランピング施設購入(1棟1,453万円〜、プロジェクトにより異なる)は、動産償却・運営委託・分割払いの組み合わせで、実物不動産とは異なる性格の資産として検討されることがあります。あくまで選択肢の一つとして、興味があれば販売中プロジェクト一覧を参照してみてください。

よくある質問

中古アパートと新築アパート、節税効果に違いはありますか?

耐用年数切れまたは耐用年数の短い中古物件は、短期間で大きな減価償却費を計上できるケースがあります。一方、新築は長期にわたって均等に償却するため、単年の税効果は小さくなりやすいです。ただし、中古の短期償却が終わった後は課税所得が増加することが多く、出口での譲渡益課税も含めた通算での試算が必要です。税理士への相談を前提に検討することを編集部としては想定しています。

PACO STAYは実物不動産と何が違いますか?

PACO STAYで購入する客室(PACO-TRAILER)は、木造2×4工法のトレーラーハウスであり、車両運搬具として動産扱いになります。法定耐用年数は4年(定率法)で、実物不動産の建物とは償却の仕組みが異なります。旅館業許可の取得・予約・清掃・メンテナンスは当社グループが担う賃貸管理委託方式のため、オーナーが直接運営業務を行う必要はありません。月額の送金額は稼働率35%・1泊32,000円の前提で176,800円(試算)ですが、稼働率によって変動します。

分割払いで購入する場合、自己資金はどのくらい必要ですか?

提携の信販を通じた分割払い(最長10年・120回)を利用する場合、審査通過を前提に自己資金0円でのスタートが想定されるケースがあります。月々の分割払い額は月額送金額を上回りますが、車両運搬具としての定率法償却(法定耐用年数4年)による所得圧縮が、その差額を上回る可能性があります(前提:課税所得1,800万円超・個人の場合の試算)。試算はあくまで一定条件下のシミュレーションであり、税効果には個人差があります。詳細は税理士にご確認ください。