iDeCoもNISAも始めた。でも、正直もう一段踏み込みたい——そう感じている32歳前後の方から、中古アパート投資についての質問をよくいただきます。「難しそう」「リスクが怖い」という声がある一方で、「節税になると聞いたけど本当?」という率直な疑問も多い。今回はよくいただく質問に、できるだけ正直にお答えします。

「中古アパートって、新築より得なんですか?」——一概には言えないが、30代が入口にしやすい理由はある

結論から言うと、「どちらが得かは条件次第」です。ただ、自己資金をある程度抑えてスタートしたい30代には、中古の方が検討しやすいケースがあります。

理由はシンプルで、購入価格が低い分、同じ家賃収入に対する表面利回りが高く出やすいからです。モデルケースとして「築20年・木造・地方都市・総額2,000万円・月額家賃収入15万円」という条件を想定すると、表面利回りは9%前後になります。ただしこれはあくまで試算で、修繕費や空室率次第でキャッシュフローは大きく変わります。

正直に言うと、中古は「買ってから出費が読みにくい」という面があります。屋根、外壁、給湯器——築年数に応じた修繕が重なる時期があります。私自身、1棟目の購入後わずか2年で100万円超の修繕費が発生した経験があります。当初の計画に修繕バッファを組み込んでいなかったため、一時的にキャッシュが詰まりかけました。この経験から、購入前の建物調査(インスペクション)と修繕積立の試算を必ずセットで行うことを強くすすめています。

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「節税になると聞いたけど、年収550万円だと効果ありますか?」——期待値は年10〜12万円程度、主目的にはしない方がいい

効果がゼロではないですが、「劇的に税額が減る」と期待するのは少し慎重になった方がいいです。不動産投資の節税の仕組みは主に減価償却を活用した所得圧縮です。建物部分を毎年費用として計上することで、帳簿上の赤字を給与所得と損益通算し、所得税・住民税を抑える効果が想定されます。

年収550万円の場合、所得税の実効税率は概ね20〜23%前後のゾーンです。仮に年間50万円の減価償却費を計上できれば、10〜12万円程度の節税効果が想定される計算になります(あくまでモデルケース。個人の控除状況により異なります)。節税を主目的にするより、「キャッシュフローが出て、かつ節税にもなる」という順番で考える方が、長続きするアパート経営になりやすいです。

「融資って、会社員だと通るんですか?」——属性は有利だが、借入残高と自己資金比率が鍵になる

会社員は融資審査において比較的評価されやすい属性です。安定した給与収入が担保として機能するため、自営業や法人よりも与信が通りやすいケースがあります。ただし、年収だけでなく、勤続年数・借入残高(車ローンやカードローンなど)・自己資金の比率も審査に影響します。

「自己資金ゼロでもスタートできる」という話を目にすることがありますが、私が見てきた30代の事例では、物件価格の1〜2割程度の自己資金を用意して臨む方が、金利・融資期間ともに有利な条件になりやすい印象です。諸費用(仲介手数料・登記費用・火災保険など)は現金で別途必要になるため、最低でも200〜300万円は手元に置いた状態で動くことをおすすめします。

「中古アパートとトレーラーハウス投資、何が違うんですか?」——「動かせるか」と「償却スピード」で性質が変わる

比較記事が少ないせいか、よく聞かれます。一番大きな違いは「移動・撤去できるかどうか」と「減価償却の速度」です。

中古アパートは土地と建物がセットで、土地値が資産として残ります。一方、PACO INVESTが扱う木造2×4構造のトレーラーハウスは、移動・撤去が可能な構造であることから固定資産税の扱いが異なるケースがあります。また、償却年数が短い分、早期に大きな費用計上ができる場合があります。初期費用は1台あたり概ね990万〜1,500万円のレンジで検討されるケースが多く(モデルケース。仕様・立地・付帯工事により上下します)、1棟2,000万円前後の中古アパートとは規模感が変わります。

どちらが「正解」かではなく、キャッシュ状況・節税ニーズ・手間のかけ方によって選択が変わります。中古アパートは管理会社への委託がしやすく初期の仕組み化がしやすい半面、修繕コストの読みにくさが課題です。トレーラーハウスは宿泊事業(Airbnbなど)との親和性が高い一方、立地の選定が収益を大きく左右します。両方を経験してきた立場から言うと、「どちらかが優れている」ではなく、それぞれの特性を理解した上で選ぶことが大切です。

いきなり物件を探す前に、自分の「借入余力」を数字で把握する

物件探しより先に、金融機関への事前相談で自分の借入余力を確認することから始めてみてください。事前相談は無料でできますし、「今の自分にいくら融資が出るか」を把握するだけで、現実的に選べる物件の幅と戦略が具体的に見えてきます。情報収集と並行して、自分の数字を先に知っておく——これが30代からのアパート経営を焦らず進めるための、地味だけど確実な一手だと考えています。

よくある質問

中古アパートの利回りは何%あれば合格ラインですか?

「表面利回り8%あれば安全」とよく言われますが、一概には言えません。表面利回りは家賃÷購入価格の単純計算で、修繕費・管理費・固定資産税・空室損が含まれていません。実質利回り(ネット利回り)で5〜6%以上確保できるかを確認する方が現実的です。地域の家賃相場と空室率の傾向を合わせて確認することが重要で、表面利回りの数字だけで判断すると、購入後に収支が想定を下回るケースがあります。

副業禁止の会社でもアパート経営はできますか?

多くの企業の就業規則において、「不動産賃貸による収入」は副業規制の対象外とされているケースがあります。ただし、会社によって規定の解釈が異なります。確実を期すなら、就業規則の「副業・兼業」に関する条項を確認するか、人事部門に相談するのが安全です。確定申告時に住民税を「普通徴収」にすることで、会社への通知リスクを下げる方法もありますが、具体的な対応は税理士への確認をおすすめします。

住宅ローンを組む前に、投資用ローンを先に組んでもいいですか?

慎重に考える必要があります。投資用ローンを先に組むと、その借入残高が住宅ローン審査に影響するケースがあります。マイホームの住宅ローンを先に組んでから投資用融資を検討する方が、住宅ローン控除も活用しやすく、資金計画が整理しやすい場合があります。どちらを優先するかは、今後5年の生活設計(結婚・住居・転勤の予定)によっても変わるため、ライフプランと合わせてファイナンシャルプランナーや銀行の担当者と話してみることをおすすめします。