「中古アパートをもう1棟」という選択肢は自然に見えて、数字を丁寧に解くと思いのほか手が止まるケースがあります。区分2戸とアパート1棟を保有しながら次を検討しているフェーズの方から、編集部には似た問いが繰り返し届きます。Q&A形式で順番に整理します。
「表面利回り8%」は、手元にいくら残る数字なのか?
中古アパートの広告で目にする利回りはほぼ例外なく「表面利回り」です。満室想定の年間賃料を物件価格で割ったもので、実際の経費は一切引かれていません。管理委託料(賃料の5〜8%)、固定資産税、火災保険、修繕積立、空室損失——これらを積み上げると、実質利回りは表面の60〜70%程度に収まることが珍しくありません。
表面8%であれば実質5〜5.6%前後という計算になります。そこからローンの元利返済を引いた手残りが「キャッシュフロー」です。金利1.5〜2%台でフルローンに近い調達をした場合、月の手残りが数万円を下回るモデルケースも出てきます。よくある失敗は「表面利回りで比較して購入を決め、実質ベースの試算を後回しにする」パターンです。数字に厳しい方ほど、ここを先に試算してから動く傾向があります。
築古を買うとき、修繕リスクをどう読めばいいのか?
中古アパート投資で最も見積もりにくいのが「突発修繕」です。外壁・屋根・給排水・電気系統は、築15年を超えると連鎖的に更新時期が重なることがあります。1回の工事が100〜300万円規模になるケースもあり、その年のキャッシュフローが丸ごと消える事態も珍しくはありません。
購入前に確認しておきたいのは、①過去の修繕履歴(いつ何を直したか)、②大規模修繕の実施有無、③給排水管の素材と年数の3点です。履歴が残っていない物件は交渉の余地がある一方、リスクの不透明さも高いと考えるべきです。意外に見落とされがちな視点として、表面利回りが高い物件ほど「修繕コストを先取りした価格設定になっていないか」を疑う習慣が有効です。
出口を先に考えると、「買っていい築年数」が変わる
不動産投資で見落とされやすいのが出口です。中古アパートは売却時の買い手が「次の投資家」になることが多いため、利回りの見た目が維持できるかどうかが売れる価格を左右します。築年数が進むと買い手が付けられるローンの年数が短くなり、月々の負担が重くなって、それが購入価格に跳ね返ります。
木造の法定耐用年数は22年。残年数が短いほど金融機関の評価は保守的になります。「10年後に売れるか」という問いを購入時点に持ち込むと、買っていい築年数の上限は自ずと絞られてきます。築30〜35年超の物件は取得価格が安くても売却先の選択肢が限られるため、慎重に検討することが有効です。
「規模拡大か、分散か」——アセットを変える選択肢はどう評価するか?
アパートをもう1棟増やすことは、リスクを「分散」しているように見えて、実態は同じ構造のリスクを「積み増し」している側面があります。空室リスク・修繕リスク・金利リスク・立地リスクが、同じ方向に相関するためです。既存物件が複数ある状況では、銀行の融資余力がどこまであるかも含め、規模拡大のコストが見えにくくなりやすいです。
別アセットへの分散という観点で、編集部がPACO STAYをご紹介する場面があります。木造2×4工法のトレーラーハウスを客室1棟単位で取得し、旅館業の許可・予約・清掃・メンテナンスまで運営を当社グループへ委託する仕組みです。車両運搬具(動産)として扱われるため、法定耐用年数4年・定率法での減価償却が適用されることがあります。1棟1,453万円〜(プロジェクトにより異なる)で、想定利回りは稼働率35%・1泊32,000円を前提とした試算で7.7〜14.6%です(保証なし)。アパートとは構造の異なる資産であることは確かです。
次の小さな一歩として、何から始めるか
中古アパート投資を進めるにしても立ち止まるにしても、まず手元の収支を実態ベースで洗い直すことが、次の判断を早くします。表面利回りではなく実質利回り、そして手残りのキャッシュフロー。そのうえで融資余力と出口の時系列を並べると、「今動くべきか、少し待つべきか」の輪郭が見えてきます。
編集部では、PACO STAYの個別相談(無料)を受け付けています。アパートとの比較を含めた試算を聞いてみたい方は、販売中プロジェクト一覧からお問い合わせください。
よくある質問
実質利回りがどこまで下がると、保有を続ける判断が難しくなりますか?
一概には言えませんが、実質利回りからローン返済を引いたキャッシュフローがマイナス、あるいはほぼゼロという状況が続く場合、保有コスト(時間・管理労力・資金拘束)に見合うかどうかを改めて整理する機会になるケースがあります。税還付や含み益など、収支以外の要素も含めて総合的に判断することが一般的です。
分割払いでPACO STAYを取得した場合、月々の実質的な負担はどうなりますか?
提携の信販による分割払い(最長10年・審査あり)を利用した場合、月々のお支払いは月額送金額(稼働率35%の試算で176,800円)を上回るケースがあります。一方、車両運搬具として法定耐用年数4年・定率法で減価償却が適用されることで、他の所得にかかる税が減少するケースも想定されます(前提:課税所得1,800万円超の個人の場合の試算)。税効果の大きさは所得や税率によって異なりますので、税理士への確認を推奨します。
アパートとPACO STAYを同時に持つことは、融資の面で影響しますか?
PACO STAYは不動産(固定資産)ではなく動産(車両運搬具)として扱われるため、一般的な不動産担保融資の評価には直接加算されないケースがあります。ただし、分割払いの残債は個人の信用情報に影響しうるため、既存融資の状況と合わせて金融機関や税理士にご確認されることを編集部では案内しています。