区分マンション2戸、アパート1棟。ここまで積み上げてきた方が次の一手を考えるとき、「中古アパートをもう1棟」という選択肢は自然に浮かびます。ただ、その物件選びで多くの人が前提として受け入れている"常識"が、実際の収支を歪める原因になっているケースがあります。
「築浅=リスクが低い」——その等式、三つの変数に分解すると見え方が変わります
中古アパート投資の世界では、「築年数が浅いほど修繕リスクが低く、融資も通りやすい」という考え方が広く共有されています。確かに築10年以内の物件は外観が整っており、金融機関の評価も得やすい傾向にあります。ただ、この等式はもう少し丁寧に分解する価値があります。
注目すべきは、融資の残期間・減価償却の残年数・出口での売却価格、この三つが連動している点です。築浅物件は融資を引きやすい半面、減価償却の残年数がすでに消費されていることも多く、節税として享受できる期間が短くなります。課税所得が高い方にとって、これは見落とせない変数です。
「築古は融資が通りにくい」——その難しさの裏側で何が起きているか
築古物件に目を向けると、「融資が通りにくい」「修繕費がかさむ」という声が先に出てきます。数字の上では正しい部分もあります。ただ、その難しさの裏側に、表面利回り10〜12%台の物件が一定数存在しているのも事実です。競合が少ない価格帯は、購入価格の押し下げ余地があるということでもあります。
よくある失敗は、表面利回りの高さだけで判断して購入した後、修繕費・空室損失・管理費用が重なり、実質利回りが表面利回りから4〜5ポイント以上落ちるケースです。築古で検討するなら、購入前のインスペクション費用(モデルケースでは5〜10万円程度)を惜しまないことと、修繕積立を最初から収支計画に組み込んでおくことが現実的な対応になります。感覚で語れる話ではなく、数字を積み上げて判断する領域です。
「何年目に売るか」を先に決めると、物件選びの基準が変わる
売却時の出口も先に確認しておく必要があります。築浅で購入した物件を5〜7年後に売ろうとしたとき、「当時より少し古い物件」として市場に戻ります。買い手が同じロジックで融資を引こうとした際、評価額が大きく落ちていることがあります。「売れる物件かどうか」は、次の買い手の融資条件にも左右されます。
一方、すでに減価償却が終わった築古物件は購入価格が抑えられている分、次の買い手も低い価格帯で入りやすくなるケースがあります。もちろんすべての物件にこの論理が当てはまるわけではなく、立地・需給・建物状態が最終的な判断軸です。「いつ・誰に・いくらで売れるか」を先に仮定してから遡って検討する順番は、数字に厳しい方にはなじみやすい思考法のはずです。
アパートを増やすたびに「同じリスクが積み重なる」と気づいたとき
既存の不動産ポートフォリオがある程度積み上がったとき、「同じカテゴリを増やし続けることへの疑問」は自然に生まれます。空室リスク・修繕リスク・金利リスクが、アパート追加のたびに同じ性質で積み重なっていくからです。このタイミングで、動産として扱われる構造のアセットや、運営を外部に委託する収益モデルを比較検討する方も出てきます。
PACO STAYは、木造2×4工法のトレーラーハウスを客室として1棟単位で保有する仕組みです(1棟1,453万円〜、プロジェクトにより異なる)。旅館業の許可取得・予約・清掃・メンテナンスまで運営はすべて当社グループが担います。稼働率35%・1泊32,000円を前提とした試算では想定利回り7.7〜14.6%ですが、これは試算であり実際の運用結果を示すものではありません。中古アパートとは異なる構造のため、比較検討の一材料として情報収集する段階から始めることができます。
「前提を揃えてから比べる」——それだけで判断の精度は変わります
中古アパートを否定したいわけでも、別のアセットを推奨したいわけでもありません。ただ、「築浅=安全」「築古=危険」という二項対立で物件を絞り込んでいると、収支に影響する変数を見落とす可能性があります。利回りの計算方法・減価償却の残年数・売却時の出口条件を同一の前提で並べることが、次の判断を精度よく進める起点になります。まず既存ポートフォリオの実質利回りを改めて整理するところから始めてみてはいかがでしょうか。
よくある質問
築古アパートは修繕費がかかりすぎて実質利回りが下がると聞きますが、どう考えればよいですか?
表面利回りから管理費・修繕積立・空室損失・税金を差し引いた実質利回りは、築古物件ほど表面利回りとの乖離が大きくなることがあります。購入前にインスペクションを行い、今後5〜10年で発生しうる修繕費の概算を見積もった上で収支計画を作ることが、実態に近い数字を把握する一つの方法です。「表面10%・実質6%」のような乖離が生じるケースも珍しくなく、感覚値ではなく積算した数字で判断することが重要になります。
減価償却の残年数が物件選びにどう影響しますか?
課税所得が高い方にとって、不動産の減価償却は課税所得を圧縮する手段として機能することがあります。ただし、築年数が経過した物件は法定耐用年数の残年数が短く、償却期間が限られます。購入時点での残耐用年数と自身の税率・保有期間の想定を合わせて確認することで、税引き後の実質収益がより具体的に見えてくることがあります。税理士との事前確認が有効です。
PACO STAYはアパート投資とどう違いますか?
中古アパートは不動産(土地・建物)として登記されるのに対し、PACO STAYの客室(PACO-TRAILER)は車両運搬具として動産扱いになります。法定耐用年数4年・定率法で償却する構造のため、課税所得が高い方にとっては償却の効き方が異なることがあります。また、運営(旅館業許可・予約・清掃・メンテナンス)はすべて当社グループが担う委託方式のため、オーナーが運営業務を行わない点も中古アパートとは異なります。詳細は販売ページ(https://paco-house.com/trailer/sales/)でご確認ください。