法人税対策と個人の資産分散を同時に進めたい。そう考えたとき、最初に中古アパート投資が頭に浮かぶ方は少なくありません。ただ、「ほかに何があるか」を横に並べて見たことはあるでしょうか。選択肢の全体像を整理してから判断しても、遅くはないはずです。

株・REIT・預金・アパート——それぞれが「解決する問題」はそもそも違う

資産の置き場所を選ぶとき、「どれが一番儲かるか」より「自分が今どの問題を解決したいか」を先に確認するほうが、比較の軸が定まります。整理すると、おおむね次の構図が見えてきます。

流動性が高い選択肢(株式・REIT・投資信託)

株式や投資信託はいつでも換金でき、少額から分散できます。REITは不動産を証券化したもので、現物不動産より手軽に不動産系の値動きに乗れます。ただし、課税所得が高い方にとっては、売却益や配当が「さらに税がかかる所得」として積み上がる点が気になるところです。すでに株式・投資信託を保有している場合、同じ性格の資産をさらに増やすことになります。

現金・定期預金

元本の名目は守られますが、インフレ局面では実質価値が目減りします。法人に手元現金を積み上げている場合、「そのままにしておく理由」は法人税の観点からも乏しくなりがちです。有事の備えとして一定額を持つ意義はあるため、全額を動かす必要はありません。

中古アパート(現物不動産)

減価償却を取れるため、課税所得を圧縮できる場合があります。ただし、築年数によって残耐用年数が短く、建物部分の償却が早く終わることも多い。空室リスク・修繕コスト・管理の手間・売却時の流動性の低さが、常にセットで付いてきます。融資で規模を大きくするほど、金利変動と空室の影響が拡大される点も見落とせません。

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「節税になる」は本当か——償却が終わった翌年に何が起きるか

中古アパートが節税に使われる背景には、木造・築古の場合に残耐用年数が短くなり、短期間に大きな減価償却を計上できるケースがある、という仕組みがあります。ただし、この効果は「償却が終わったあと」に逆転します。建物の償却が尽きると経費が減り、家賃収入がそのまま課税所得に乗ってくる構造です。

よくある失敗として、「最初の数年は節税になった。しかし5年後に償却が終わり、家賃収入がまるごと課税所得になって、むしろ税負担が増えた」というケースがあります。課税所得1,800万円超の方が短期間に大きな節税を期待するなら、「何年後に償却が終わるか」と「そのあとをどうするか」を最初にセットで確認しておくことが欠かせません。

管理の手間と出口——「持ち続けるコスト」を先に計算できているか

中古アパートは取得価格が新築より低い半面、設備の経年劣化・外壁塗装・屋上防水といった大規模修繕のタイミングが早く来ることがあります。修繕積立を月次で試算しておかないと、収支がプラスに見えていた年に一括の出費が発生するケースがあります。

また、売りたいときにすぐ売れるとは限りません。地方の中古アパートは買い手が限られ、売却まで1〜2年以上かかるケースも珍しくなく、出口まで含めた実質利回りが当初の試算と大きく乖離することがあります。購入前に複数の売却シナリオを試算しておくことが、出口リスクを把握するうえで有効です。

「動かせる不動産」という別の発想——PACOのアプローチ

不動産に近い節税効果を持ちながら、アパートとは異なる構造を持つ選択肢も出てきています。PACO STAYは、木造2×4工法のトレーラーハウス(車両運搬具)を客室として1棟単位で購入し、グランピング施設の運営をすべて当社グループに委託する商品です。車両運搬具は法定耐用年数4年・定率法での償却が可能なため、課税所得1,800万円超の方が個人で取得した場合、短期間に大きな償却額を計上できる場合があります(税務上の適用可否は税理士にご確認ください)。

価格は1棟1,453万円〜(プロジェクトにより異なります)。稼働率35%・1泊32,000円を前提とした試算では想定利回り7.7〜14.6%、月額送金額は176,800円(いずれも試算であり、実績を示すものではありません)。分割払い(最長10年・提携信販・審査あり)を利用すると自己資金0円からの取得も可能ですが、月々の支払いが送金額を上回る期間があり、その差額は持ち出しになります。税の減少分でその差を補う設計であるため、ご自身の税率・状況を税理士と確認したうえでご判断ください。

どれが「正解」ではなく、何を組み合わせるか

株式・REIT・中古アパート・トレーラーハウスのような動産型——それぞれが解決できる問題は異なります。流動性が必要なら株式・REIT、物件管理も含めて主体的に動ける方なら中古アパート、管理を外注しつつ償却を取りたい方なら動産型の選択肢が候補に上がることがあります。どれか一つに集中するより、それぞれの性質を理解したうえで組み合わせを考えるほうが、資産分散の本来の意味に近づくように思います。

まず税理士と「現在の課税所得の内訳」と「あと何年、同じ税率帯にいるか」を確認することが、具体的な比較を始める最初の一歩になります。その数字が出て初めて、どの選択肢がどの問題を解決できるかが見えてきます。

よくある質問

中古アパートとPACO STAYを比べたとき、節税効果の大きさはどちらが高いですか?

一概には言えません。節税効果は取得価格・残耐用年数・適用する償却方法・その方の税率によって大きく変わります。PACO STAYの場合、車両運搬具(法定耐用年数4年・定率法)での償却を前提とした試算をご案内できますが、実際の効果は税理士にご確認いただく必要があります。中古アパートも、築年数や構造によって残耐用年数が異なるため、物件ごとに個別の試算が必要です。

分割払いで自己資金0円とありますが、実際には毎月持ち出しが発生するのですか?

はい、月々の分割払いの支払額は、稼働率35%を前提とした月額送金額(試算:176,800円)を上回ります。設計上は、その差額を「他の所得にかかる税が減少する分」で補う想定ですが、税の効果は課税所得・税率によって異なります。審査が通らない場合、分割払い自体をご利用いただけません。持ち出しが発生する可能性を必ず事前にご確認ください。

中古アパートの出口(売却)はどう考えればよいですか?

購入時より売却価格が上がることも下がることもあります。地方の中古アパートは買い手が限られ、売りたいタイミングで売れないケースがあります。売却までの期間・想定売却価格・残債のバランスを購入前に複数シナリオで試算しておくことが、出口リスクを把握するうえで有効です。不動産会社だけでなく、税理士・ファイナンシャルプランナーを交えた確認をご検討ください。